第29話 「へ~ッ、随分悪い事してたんだ~」 (* ̄- ̄)ふ~ん
「ねぇ、聞いても良い?、如何してそんなに遠い所から上京してきたの?」
そう言えば俺の事何も話して居なかったな、笑って貰える様に必死でそんな時間も無かったし…。
「私だったら離れたくないな、悪い人居なそうだから・・」
小さく呟いた言葉で気持ちが伝わってくる、あそこなら彼女の細やかな夢は直ぐに叶っただろう、笑った儘で、悲しむ事も無く…。
「其れは如何だろうかな?、どこぞの悪ガキが他所の家の山に入って柿食ってたとか、枇杷捥いびわもいでで喰ってたとか、捕っちゃいけないのに罠を作って鳥を捕まえてた、何て言ってたからな悪い奴だって居るよ…、勿論野生の自生してる物だけどね…」
「へ~ッ、随分悪い事してたんだ~」
(* ̄- ̄)ふ~ん
「えっ?、俺の事じゃ無いよ!」
(@_@;)
「ふ~ん其れにしちゃ随分詳しいよね~?」
「だから俺じゃ無いって!、枇杷を採ろうとして枝に居た青大将の尻尾捕まえてぐるぐる回して、邪魔に為らない様に放り投げてた位だって!」
アッ言っちまった…、下を向いてるけどどうしたのかな?、何か肩が小刻みに震えてる、不味い事言っちゃったのかな?。
「キャハハハ…、お腹痛い、お腹が痛いよ…」
怒った訳じゃ無いんだ、笑ってるのかでもそんなに笑う様な事言ったっけ?。
「ヘビの尻尾…、キャハハハハ…」
何かツボにハマってるんですけど…、前にも同じ事有った様な気が…。
「お姉さん大丈夫ですか?、笑いが止まらない見たいだけど…」
「あゝ笑った!、墓穴掘って呉れてありがと!」
「まぁ良いですけど、そんな可笑しな事言いました?」
「あのね、想像しちゃってね…」
又笑いを堪えて肩が震えてる…、とんと検討着かないんだが?。
「想像したって何をです?」
「んとね、坊主頭に麦藁帽子、ランニングシャツに半ズボンでヘビをぐるぐる振り回す男の子!、其れを誰かさんに当てはめたら可笑しくって…キャハハ…」
又笑ってるよ…、確かに小学生の頃はそんな格好してたけど…。
「悪かったね!、確かに子供の頃はそんな格好してましたよ!」
「怒んないの!、でも良いなそんな元気な男の子も、可愛い女の子でも、あたしどっちも欲しい!」
「女の子は兎も角、そんな男の子だと手を焼きそうだと思いますけど?」
「確かに手を焼きそうね、でも真っ直ぐに育って呉れるよねパパ見たいに…」
とんでもない爆弾発言された気がする、悪くは無い、其れが良い未来と思えるが何時まで待って呉れるのか?、先が全く判らないからな…。
「性格ネジ曲がってると思いますけど…」
「そうなの?、それでさっきの話の続きね、何で此処に来たの?」
やっと話が戻って来たよ、今度も反対されると困るんだが?。
「俺が成りたい物仕事が東京此処にしか無かったんだ、其れを知って此処迄来たんだよ…」
「そう言えば仕事探してるって言ってたね?、どんな仕事なの?」
「お姉さんは知ってるよ、初めてバイクに乗せた時に自分で言ってたでしょ?」
「あたし何か言ってたかしら?、後お姉さんて言うの止めてね!」
「アレそう言えば未だ名前も聴いて無かったね?」
「そうだね、教えて無かったね!、あたし<
「遥かに永い時間美しくって意味だね…、ご両親の娘への想いが詰まってるって事だね、良い名前だ、然し滅多に無いかもしれないな名前も知らずにこんな順番で彼氏彼女に成るって!」
顔を見合わせ暫く二人で笑ってた、良かったよホントに愉しくに笑って呉れる様に成って…。
「ねッ!、それであたし何を言ったのかな?」
「タクシーに乗ってるとって言って無かった?」
「何言ったんだっけ?、アッ!、凄い速さで走っているオートバイの人達の事?」
「それだよ、俺はTV局や新聞社でその仕事をしたくて此処まで来たんだ」
「そう言えば新聞社の旗も付いてるのも見た事在る!、でも何であんなに速く走る必要が有る訳?」
「其れはね、TVや新聞だと事件、事故、あと野球が解りやすいかな?、TVで試合の結果が直ぐに映るよね、次の日には新聞に結果も載って居るでしょ?、ニュースに乗せるにも、新聞も写真に記事、其れを印刷した物が届けられて俺達が見る事が出来るよね?」
「そうだけど、其れとオートバイが如何して繋がるの?」
首を傾げてる、其れが繋がる要素は表に出ないしな。
「TVは放送時間、新聞を作って皆に届けるのにも必要な時間に限りが有る、VTRや写真と記事を都内の渋滞を車で運ぶと時間に合わない!」
じっと聞き入っていた、締め切る時間が有る、ニュースには放送時間、新聞なら記事にしてレイアウト、版下を作って輪転機へ、刷り上がった物を配送のトラックに乗せ専売所へ、今ならPCやスマホで簡単に知る事も送り出す事も出来るのに、其の一つ一つが手仕事で人の手を介して行われていた。
「だから其の約束の時間に間に合わせる為に、彼等は限られた時間に間に合わせる為に全力で駆け抜けるんだ一分、例え一秒でも縮める為に、悠美が見たのもその人達の一人だよ、俺は其の彼らの一人に成りたくて此処迄来たんだ、・・俺は呼ばれたんだよ彼らに一緒に走ろうぜって・・・」
「其の為に在んなに渋滞した処を速く走るんだ…、貴方怖くないの?」
「怖くないかって言われたら怖いよ、本気で渋滞の中を走ってる姿を一度見て其の姿に体が震えたよ、別の場所ではホントに走る姿が綺麗で感動した!、何時か俺もそう思われたいって…」
暫く間が空いて俺は辟易してた、次に続く言葉に…。
「一つ聞いても良いかな?、とっても危ない仕事だよね?」
返ってきたのは一番恐れていた答え、何と返せば良いのかと…。
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