第9話  いらっしゃいませ!

 コンビニ店員に成りました!


「いらっしゃいませ!」

 此のバイト週四出来るから即決で入れた、勿論土日もだし、欠員の時に緊急でシフトに入る事もOKした事も有る、特にこの店募集掛けても中々人が集まらない、そんな所に応募したんで即決…。


 じゃあ何で募集が集まらない?

 待遇悪いから?

 イヤイヤ、近隣の店は時給¥800-円台なのに此処は¥1000-、それ見て募集に応募したんだが、大分遠い所から来たのと此処に住んで未だ一年ちょい、それで時給だけにつられて応募した。


 この店が曰く付きな事を全く知らず…、時給が良いのにも募集が掛からないのも訳が在る…。


 其れは簡単な事、過去二回コンビニ強盗が入ったんですよね此の店、勿論数年前の話で俺が此の地に来る前の事だからバイトが集まらない、それなら時給を上げるしかない、でも地元の人で此の店の曰くを知ってるから応募しても来ないですよね、此処に来てまだ僅かな俺はその事を全く知らずに募集に応募、然も週4で土日OK何て…、馬鹿ですよね俺引っかかっちゃいました。

( ノД`)シクシク…


「いらっしゃいませ!」

 夜のコンビニで出来るだけ明るく爽やかに!。

 要求されたのは其れだけだ…。


 基本平日の夜は一人体制だが、今は隣に仕事を教えて貰える先輩が居られる、今日で勤務四日目なので業務内容を教わってます、俺より三つ年上で四年生大学の四回生、就職活動に支障を来して居るのでバイトを辞められるらしい。

 人手が無く店長に拝み倒されて今迄辞めるに辞められず深夜のバイトを続けて居られた、今回俺が入るのが渡りに船と為る訳だ、そう俺が入るシフトは此の方が行ってるシフト、少しでも良い会社へ入る為にもコレ以上皆に後れを取る訳には行かないとそう仰ってる、何故ならこの頃は完全に売り手市場、ソコソコ名の通った大学なら引く手数多な時代、俺みたいに底辺に居る人間には関係が無いイケイケバブルの頃。


「いらっしゃいませ!」

 無理して大声張り上げる、何故かって?、接客業などやった事も無い、然もコミュ障な俺には敷居がかなり高い、でも此処で引く訳には行かない先ずは生活が懸かってる、そして次の目標は目指す仕事に備え業務に耐え更に足の速い相棒を手に入れて置かないと夢の入り口を見付けても躊躇なく飛び込めない、今回の怪我で計画が大きく変わり、少ない貯金にも手を付け目減りしたので稼がないと為らない、兎に角稼いでバイクの購入資金を貯めないと!。


「いらっしゃいませ!」

「オゥ兄ちゃん新入りか?」

「ハイ、宜しくお願いします!」

 作業服で現場からの帰りって感じ、俺もつい最近迄似たような作業服で現場に出ていたからな…。


「其れじやハイライト二つ頼むよ」

「ハイライト二つですね少々お待ち下さい!」

 m(_ _)m

 ペコと頭を下げ煙草を手に取りお客様に確認。

「此方でお間違い無いですか?」

「あゝ合ってるぞ、俺は何時もコレを二つ買ってるから覚えといてくれよ」

「判りました宜しくお願いします」

「また来るよ!」

「お待ちして居ります、有難う御座いました!」

 コレが常連さんって言われる方々何だ、この感じは都会も田舎も余り変わら無いな…。


 次にいらっしゃったお客様は先ず田舎じゃ御目に掛かれ無い、流石に都会だね…。


「お願いしますね…」

「いらっしゃいませ、お預かりします!」

 渡された商品を確認してレジに金額を打ち込む、間違えちゃいけないと必死、横で先輩が俺の手元を見て確認しながら袋詰め、手から手へ渡される代金をお預かりしお釣りも手渡し。

「お待たせしました、○○円のお返しです!」

 此処で意外な言葉を掛けられる。


「もう慣れましたか?」

「私何か失礼な事しましたでしょうか?」

「ううん違うよ、この間は大夫緊張してたのかな?、顔も上げてくれなかったから、少しは慣れたのかなって思ってね?」

「そうでしたか其れは失礼な事を致しました」

 m(_ _)m

「全然気にしないで大丈夫だよ、それじゃお仕事頑張ってね」

「有難う御座いました!」

 この時間最後のお客様を送り出し一番忙しい時間は無事に終わった、先程のお客様は眠気も吹き飛ぶ位綺麗なお客様、良い会社にお勤めらしくビシッと上下スーツを召されてる、何時も深夜前の23時30分頃に見えられると聴いてる、気に為るのは若い女性が何時も此の時間まで仕事って…、幾ら世の中の景気が良いとは言ってもな初めてのバイトの時は気付かなかったけど、其の後のバイトの時も其の後も何時もあんな疲れた顔をされてらっしゃるのはどうかと……。

(。・_・。)


「今日は御機嫌良かったのかな?」

「何の事です?」

「さっき会話してたろ?」

「会話ですか?、慣れたかって聞かれただけですけど?」

「十分会話だよ、何時話掛けても返事は無いし、返って来るのはお願いしますと有難うだけだぞ」

「そうなんですか?」

「俺も長い訳じゃないが他のバイトも皆同じ事言ってるし、あんなに美人だお近付きに成りたいだろ?」

「そう言うものなんですか?」

 (・・?

「当たり前だろ!」

「ハハハ…」

「興味無さそうだな?」

「今は仕事ちゃんと熟せる様になるのに精一杯ですから」

「そんなもんかね~」

「えぇ」

 (^^ゞ


「まぁ良いか、それで後気になった事が有るんだが聞いても良いか?」

「何でしょう?」

「バイクに乗って来てるよな、アレRZ50だよな?」

「そうですけど?」

「何で黄色ナンバー、RZには黄色に当る排気量は無かった思うんだが?」

「よくご存知ですね、確かに国内のRZは50の上は125しか無いですよ、中々ナンバーが違う事まで気が付く人居ないんですよ!」

「ヤッパリ見間違えじゃ無かったんだな、何かおかしいと思ったんだよ!」

「実はですね……」

 こうして俺のバイト生活はスタートした、コンビニは色んな人達の交差点、毎度通って親しく成る人も居られる、一期一会でその時限りのお客様も勿論居られる、何時まで続けるのかは夢への扉が何時開くか次第だが、だからこそどの方にも自分に出来る精一杯の接客を行って行くつもりだ、私の給金はそのお客様方に頂く訳ですから。


 コンビニで一期一会で繋がる話、その第二部!

 (o^―^o)ニコ


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