やはり後悔は
たちばな かん
いつになれば姿を現すのだろうか
背中に隠れては蹴飛ばし転ばす
振り返れば被害者面で泣き喚く
なにもかも眩ませるほどの闇と虚無
何度訴えれば気が済むのだろう
お前が形づくる私はとても醜い
腹に力がはいる
どうしようもない気持ちの形
どうしようもない失敗と過去
どうしようもない劣等感と恥
全てに苛まれ輝きを見失う
あったはずのものが零れていく
滴る先に器はない
誰かに食われては養分となる
貶して生きる化け物に虐げられる
そのたびに元から何もなかったのだと錯覚する
自分が無いと思い詰める度に涙が出る
いっその事覆い隠してはくれないかと懇願する
心がないなら形も消してはくれないかと
命という美を与えてくれるなと
私には尊すぎたのだ
誰かを想う気持ちも自分の思いもわからず
ただ彷徨い途方に暮れる
何かを表現することも感じることも
私にはなにもわからない
自由はきっと人間であり
規則は足場なのだろう
誰かを押し出すための踏み場として振る舞う
そう自覚して前を向く
そしてまた転ぶのだ
あぁ人間として生きたかったと
やはり後悔は たちばな かん @citrus7
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