第6話

私が初めて神崎と出会ったのは、大学の入学式の式典の日、、







人が多い入学式に出るのがどうしても嫌で、式典には出ずにキャンパス内を見学して回っていた







一応スーツを着てきたから、在校生にチラチラと見られたけど、次会う頃には忘れているだろうと特に気にもしていなかった







そんな時、、、前から私と同様にスーツを着た男の子が歩いてくるのが見えた







ーー・・・入学式終わったのかな?








終わったなら帰ろうかなぁ、、、







彼を見ながらそんなことを思っていた私とは裏腹に、、少し焦ったような顔をして私に近付いてくる男の子







「ね、ねぇ!君も新入生っ?!もう入学式って終わったっ?!俺、、式の場所分かんなくてさっ・・・ずっと迷ってるみたいなんだけど、、全然たどり着かなくて、、、」







ーーー・・・バカなの?







これが初めて出会った時の神崎に対しての、第一印象だった






『あの・・・入学式ならあそこっ・・・あの大きい建物で行われてますけど・・・』








私がそう教えると、神崎は言ったんだ、、






「あぁ〜・・・なんかもういいやっ!今ここで、入学式しようっ!俺、神崎 陽斗です・・・えっと、、きみの名前は?」






ーー・・・あぁ、本当にバカなんだ







『ーー・・・澤田 仄香・・』





面倒くさそうな神崎陽斗、、、







できれば関わりたくなくて、名前以外他に何も言わなかったんだけど、、





「澤田さん・・・っこれからよろしくね!」






っとやけにテンションの高い神崎にそう言われて、、






『あぁ〜・・・よろしくです』





なんて返してしまったのが間違いだった、、

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