第15話 黒マントのゼノン解禁

「ゼノン。お前。軽く言うがほんとか?」

「当たり前だ。」俺様は少しイラついていた。

本来の姿を現した。

目の前の田畑が驚く。

田畑は見るからに地球人で言うオタク的な要素の塊のような学生だ。

少し太っちょで黒マルの眼鏡。

「おーう。本当だったのか?

まさかと思っていいたが。」

田畑の目が星のようにキラキラと輝く。

俺様も少し得意げに黒マントをなびかせた。

宙にも浮いて見せた。

「俺様はブラックホール星人。

この地球の今回の支配者だ。」

田畑が俺様の言葉で更に驚いた表情で。

しかしオタクらしく。

本気で何かを突き詰める地球人をオタクと呼ぶ。

少し、さえないがまさに目の前の田畑がそれに該当する。

どうやら宇宙オタクのようだ。

「ゼノン。僕は見たんだ。

地球にこの地に夜空から月から

人型の火球が地球に突入して来たのを。」

田畑は話を続ける。

「シーちゃんの宇宙見る見るチャンネルの

ネット配信でも中継でライブ配信されていた。

僕はその後『シーちゃんの宇宙見る見るチャンネル』を何回も見たんだ。

黒マントの人間が月を背に

大気圏に突入して地球に侵入したことを。

僕が地球に突入した画像と同じだ。」

「それは。田畑、俺様を見たは凄いな。

この地球では大きな火球としか情報は流れていなかったはずだが。」

「ゼノン。知らないのか?

地球はすべて情報管理されている。

ゼノン、お前は今回の地球の管理者なんだろう。

それに地球は宇宙の端の辺境の星。

地球人は未だ発展途上の星だ。」

「田畑、お前も地球人だろう。

いくら宇宙オタクでもその情報源はどこだ!」

「僕は正真正銘の地球人だ。

情報はシーちゃんの宇宙見る見るチャンネルからだ。

だがこれで、すべてがほんとのことだと証明された。

地球の今回に管理者、ゼノンが目の前にいる。

地球人はこの小さな球体の中の世界で完結している。

外の宇宙を知らない。知っているようで何も知らない。

これだけ昔からUFOが目撃されていて、未だにその中にネットにテレビに生配信されたことはない。

おかしくないか。情報の小出しと明らかな情報操作が行われているはずだ。」

「そうか。地球では誰かが情報操作をね。

それって俺様達、ブラックホール星人の目をすり抜けてね。

もし、それが本当だとすると、

その地球人はかなり頭がいいし、

それなりの能力を使える奴だ。

本当にそんな奴存在するのか?

どうして前任者のユングは俺様に何も話さなかったのか?

もしかしたら、ユングさえも脳内のコントロール支配下に置かれていたのか?

「ユング。」

「ゼノン。今、ユングって言ったな。

確か校長室前にユングの写真があるぞ。

天童と言われていたそうだ、

詳しいことは知らない。

が優秀な生徒で賞状とトロフィーが飾ってあるぞ。

明治?か昭和初期でゼノンと同じ黒マントを着ているぞ。」

「もし、そうだったら。面白く、なって来たぞ。おい田畑。教室へ戻るぞ。」


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