第12話 ブラックホール星人の末裔

すぐに授業は始まった。

教科書のないゼノンは桃花の机に机をつけた。

桃花もさっきの赤面はなくなり、

いつもの金髪のギャル系の女子に戻っていた。

授業は世界史だった。

先生が過去の世界恐慌の説明を始めた。

途中「世界が動く時。教科書の写真にも

写り込みがある。

その黒マントの男こそ世界を裏で動かす人物だと言われている。

地球をコントロールしていると言われている。」

男子生徒が「先生、どこですか?」

「28ページの左下だ。」

「先生、私は見えます。」

「私は、なんとなくみえるかも。」

なんだこのバラバラ感は。

もちろん。俺様には見える。

横の桃花もどうだ?

横目で桃花を見る。

なにやら見えているらしい。

俺様はにはユングの顔まではっきりとわかる。」

先生が「これは単なる都市伝説だと聞いてくれ。

たまたま教科書に載っているこの黒マント。

人のよっては黒い影にしか見えない。

または、あるものには顔まではっきり認識できるものもいるようだ。」

女子生徒が「先生、見えないと駄目な人間なんですか私。」と半泣きの声で話した。

先生は「そうか。そうか。正直、先生にも黒いかたまりにしか見えないぞ。

大丈夫だ。見える奴の方がおかしい。

そういえば。田畑、お前は見えるっていてたがほんとのほんとか?」

「えへ、先生見えるのは見えるんですが3つの白い点が黒いかたまりの中に見えたので

顔に見えたんですが。

でもよーく見ると違います。黒マントの男は見えません。

ちょっと見えるってかっこつけたかっただけです。」

「そうか。まあ―そんなものだ。

よーし、余談はこのくらいにして授業はじめるぞ。」

「はーい。」

授業がはじまる。

俺様は少し気になって桃花に聞いた。

「桃花、お前は見えたのか?」

「うん。私達と同じぐらいの男の子。

確かに黒マントを羽織ってこっちを見てる。

カメラ目線。黒でよくわからいけど髪色は銀色に見えるけど。」

「えっ。」

髪の色まで。もしかしたらスバルと同じ

地球に初期に不時着して残ったブラックホール星人の末裔なのか。

そう言えばスバルの祖母、紫が言ってたな。

学校に行ったら分かると。

それに俺様の記憶が正しければ、無意識に

星人同士、電磁波で引き合う。

俺様のカラダの電磁波もかなり揺れだしている。

もしかして。先生も。

『ゼノン。今そのことを脳内で考えるな。

ブラックホールの地球上にいる末裔達が、

みんな仲間だと限らない。』

『スバル、俺様は神に等しい。』

『わかっている。だが今はまずい。』



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