第11話 地球人の高3の桃花

「転入生の黒沼ゼノン君だ。みんな、仲良くするように。」

教室がざわつく。

金髪の生命エネルギーの高そうな、

ギャル系の女子。

俺様の好みの女子が「先生。黒沼ってスバルの親戚?か何かですか?

顔、なんとなく似てない?」

「そうだ。桃花。

2人はいとこ同士だ。

急にゼノン君の両親が海外赴任のために

スバルと同居することになったと聞いている。そうだなスバル?」

「そうです。」

はじめて球場で会ったときのキリッと顔で

スバルが答えた。

これが学校でのスバルの顔か。

「スバルも大変だが、ゼノンも高3の2学期の転校は受験直前で大変だが、がんばれ。

状況はいつでも変化する。

変化をゼノン、みんなも恐れるな。」

「はい。」

「みんなもだぞ。大人に揺りまわされるな。

本当に大事なこと譲れないことは自分で決めろ。わかったな。」

「はい。」生徒達が全員返事する。

さっきの桃花が「先生も大人でしょう。

先生の言うこと聞いていいんですか?」

「ハハハ。そうだな。先生も大人だ。

しかしここではお前達の指導者だ。

大人の前にお前らをうまくこの高校から卒業させて、次のステップに行くための手助けをするのが先生の使命だ。」

桃花が続けて「先生。今の言葉カッコ良すぎ。」

「そうか。これが先生の仕事だ。

これで先生は飯を食ってる。

1年、1年が先生にとっては勝負だ。

生徒は毎年変わるが。たとえ同じことのくり返しでも目の前の生徒は違う。

毎回、全力で仕事をしている。

だからお前達もがんばれ。

やれることをやれ。残り2学期だ。」

「はい。」

「なんとなくだが。転校生のゼノンがいるせいか、いつもより熱く、語ってしまった。

じゃあ、ゼノンは桃花の横の席に。

近くにスバルもいるからいいだろう。」

「はい。」

「ゼノン。お前はスバルと違い・・・」

俺様は振り向き「先生。なんですか?」

「いや。何もない。席に着け。」

「はい。」

俺様はスバルの横を通って桃花の隣に座った。

ブラックホール星人には、ない。いい香りがした。

「ゼノン。よろしくね。桃花よ。

わからないことがあったら何でも聞いてね。

これでも顔が広いのよ。」

「ありがとう。では頼む。

それに桃花、君は可愛い。僕の好みだ。」

桃花の顔が赤くなり。カラダが固まった。

脳内にスバルの声が。

『ゼノン。今のは告白だぞ。

好きな女子にしか言っちゃいけないんだぞ。

桃花が困惑してるぞ。』

『ややこしいな。地球人は。』


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