第8話 地球人スバルの祖母紫の家
俺様は圧倒された。
スバルの祖母紫。
この家の当主だ。
見えない威圧力が俺様を覆う。
「ゼノン。怖がらなくてもよい。
早くお上がり。」
生意気なスバルが俺様を気遣う
「ゼノン。行くぞ。」
「あーあ。」
上がろうとすると紫が
「こらー。靴は脱げ。」
「はい。」
「ハハハ。」紫が笑う。
俺様はスバルを見た。
いつのまにか靴を脱いでいる。
スバルが小声で
「すまない。教えてなかったな。」
それによく見ると玄関から家の中には段差が
あり見えない境界線があった。
『これは電磁波か?』
「そうだ。」
前を歩く紫が振り返り答える。
「ゼノン、お前には話したいことがある。
中へ。」
紫はまるで俺様のことをはじめから知っているようだ。
それに外の世界とは違い、この家の中は居心地がいい。
空気中の成分が違う。
さっきまでいた球場や電車の中とは違って
酸素密度が低い。
カラダにかかる重力も軽い。
まるでブラックホール星と同じ環境だ。
ふかふかのソファーに座り紫が
「そうさ。ここはブラックホール星と
同じだ。」
「紫、どういうことだ?」
「言った通りだ。」
「ここがブラックホーム星だと?」
俺様の目の前に大きなスクリーンが
現れた。
「えっ!タケル最高司令官!」
俺様は思わず声を上げた。
「驚いたかゼノン。
今お前がいる紫の家は俺様の家だ。
もう二度と戻れないがな。」
「タケル最高司令官、どういうことですか?
黒マントに任命されて地球に赴任して、
結果を残そうと張り切っていたんですが。
ここがブラックホール星とはどういうことですか?」
「詳しくは紫に聞きたまえ。
それに私情を挟んで申し訳ないが息子。
スバルと良き関係を気づいてくれれば助かる。
ゼノン、君の任期は地球時間で1年だ。
地球にいるブラックホール星人たちのことを頼む。」
「タケル司令官!」
「では。スバル、お母様、黒マントのゼノンを頼みます。」
目の前のスクリーンの画像は消えた。
どういうことだ。
天才的、頭脳の俺様の脳内が混乱する。
紫がタケル司令官のお母様。
じゃあスバルは息子。
紫が脳内ハッキング。
「その通りだゼノン。
この地球には遠い昔、全宇宙最強、支配のブラックホール星人が不時着した。
地球人に紛れて生きて来た。
その一族が我々、黒沼家。
そして我々はこの地球を出ることができない。
理由は言えないが。
それを破って宇宙の漂流人となり
タケルは本体。ブラックホール星に漂着した。」
スバルが「父は我々を捨てた。」
紫が「スバル!」声を上げる。
俺様は冷静に「スバルの母は?」紫に聞いた。
「地球人だったが今はいない。」
「そう、なのか。」
その後、俺様は言葉につまる。
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