全宇宙をコントロールする ブラックホールの黒マントのゼノン

京極道真  

第1話 黒マントのゼノン

俺様は黒マントのゼノン。

俺様はこの全宇宙をコントロールする

ブラックホール。

俺様の生まれた星だ。

俺様の星には有限の時間は存在しない。

無限だ。

有限の生命体も存在しない。

すべてが終わりなき世界だ。

エネルギーも尽きることがない

ブラックホール中心部に2つの大きな壁がある。

その壁の間を大きな振り子が規則正しく

右左に振り続け、

巨大な波動を作っている。

無限のエネルギーだ。

そして我々のブラックホールの所在地点は

時空と空間と共に転々と動く。

どの星も

見つけることができない。

全く支配できない。

全く別の次元にある。

ある日、ブラックホールに漂流人が着いた。

その漂流人はボロボロだった。

ケガもしていて痩せていた。

子供心にこわかった。

俺様達と同じく二本足で立っていた。

そして不法侵入の漂流者が言い放った。

「ブラックホール。偉そうにするな。

全宇宙をコントロールしている?

誰にも見つけることができない星。

ブラックホーム。星はあるが、

見つからない。

見つからなければ、

存在しないのと同じだな。」

小さかった俺様はその言葉にも衝撃を受けた。

『いるけど。いない。』

「なんだ。それ。」

そして俺様はブラックホールの中で

スクスクと育ち、

やがてブラックホールのエリート機関。

最高機関の宇宙開発部門。

管理課に配属になった。

そして初任務は地球だ。

未発達の辺境の地だ。

この担当した地球という星の生命体。

地球に住む人間の歴史に少しだけ関与する。

宇宙の星にはそれぞれの決まりごとがある。

その決まりごとから外れる星を建て直すのが

俺様のブラックホールの黒マントの役目だ。

誰にも気づかれずに星を修正する。

時には星の歴史も変える。

これが俺様の任務だ。

もちろん善悪は俺様の感覚に委ねられる。

簡単に言うと俺様の好きにしていいという。

有限の星。

そこで生きている生命体の時間、命?

漂流人が吐き捨てるように言った。

「お前らは神じゃない。」

俺様もそう思っている。

しかし奴は、よそ者の漂流人のくせに

ブラックホールのエリート機関。

最高機関の宇宙開発部門のトップになった。

俺様の最高上司だ。そして俺様の憧れだ。

彼は地球生まれだ。

そして俺様は黒マントを羽織り

任務のため地球に時空移動した。



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