神様は日本酒がお好き

神様は日本酒がお好き

地球を管轄する神であるキズスは、冷やした日本酒を取り出すとグラスに注ぐ。

ここ数万年の間、キズスと地球との接点はあまり無い。

地球上で進化した人類という生命体が惨めに争う様を、天上界から眺め、酒のツマミにしていたからだ。

たまに地球の歪（ひず）みを直すため、大地震や火山噴火を起こさなくてはならないが、キズス自身も、神の力を発動させるためには、酒の力に頼らなくてはならなくなり、最近ではめっきり日本酒ばかりを飲んでいる。

人類が開発したアルコールというものは、天上界に暮らす神々にも好評だ。

火星を管轄する神のダマヤも、金星を管轄する神であるウトサも、最近では日本酒にハマったそう。

神々にも憂さ晴らしの手段はどうやら必要らしい。