ライ・スシワシ KKG所属🐾

第1話

私は自分がわからない。


そんな言葉から始まった。


中学三年生の作文発表の時、彼女は「私」というテーマから文章をつくって発表した。それがいまでも心に残っている。


「「私」 3年5組 南雲心 私は自分がわからない。テーマを見てすぐにそう思った。私――それは自分ではない。表面の自分だ。皆がそう思っている。このテーマは自分の表面を表現しろと認識しているから、パッと書ける。でも、私は表面を表せない。なぜ?優柔不断だから?確かに私は何事にも迷ってばかりいて、なにも決めれず皆よりも遅い作業になったりする。先生たちも『大丈夫だよ。自分のペースで進めてね』とか言ってはいるが、心のなかではそんなこと思ってないのかもしれない。私ということをあげると、なにかと不安定でそれでいて、深すぎる。私――このテーマは、私を見つめ直そうというテーマだったけど、何一つともわからない。私は図書館で私についてという本を見かけた。パラパラと詠んでみると、私か、私について知っている部分と知らない部分があることを知った。私が知っているのは表なのか裏なのかどちらなのか未だにわからない。以上で終わります。」

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