第20話 気持ちも新たに!

 さてと、日も変わり、新たな一日が始まる。


「おはようございま……くさ!」

 イカ臭い!


「仕方がないじゃないですか! 軟甲貰って来たんですから!」

「あ、すいません」


「あと、スキルオーブとマジックポーチです! あ、乳母車はもう中に入れてありますから」

「ありがとうございます」


「じゃあ、頑張ってくださいね!」

「あの、それなんですが、何層くらいから始めたら良いでしょうか?」


「なんか言われてます?」

「えーっと、魔石が十万円くらいのところで稼ぐのが効率良いとかなんとか」

 レベリングの話じゃ無かった気がするけど、これくらいしか覚えてないしなぁ。


「それだとR7からですけど、その階層が全部そのランクになるわけじゃなくて、どうしても下のランク混ざるのでR8の階層から行くと良いと思います」


「何層ですか?」

「二百八十層ですね」


「流石に下過ぎません?」

「じゃあ、無難に二百十から始めますか?」


「R7からって事ですよね?」

「そうですね」


「それで行きます」

「では、改めて行ってらっしゃい!」

「はい! 行って来ます!」


 ダンジョンに入ったので、ドローンを起動して配信を始める。

 それから、全員を呼び出して、前回カンストしたレイスと軟甲を使って大きいスケルトンクラーケンを作成して、折角だから『オオマル』『コマル』『ワモン』と名前をつけた。

 残りのレイスでチビスケルトンクラーケンも作る。

 名前は『ニケ』『サンケ』『シノ』『ゴノ』だ!


 最後の一体は謎のホーリーレイスにした。


 クラス ホーリーレイス

 パーソナルスキル 飛行 聖属性

 クラススキル 再生

        透過

        属性攻撃(聖)


 なんか色々矛盾してる気しかしないモンスターが爆誕してしまった。

 考えたら負けな気もするから、気にしないでいこう。


 よし! ただ引き摺られるのじゃなく、ちゃんとした冒険の始まりだ!


「おっと、早速モンスター発見!」

 十体くらいの群れだな。


 気づかないようにギリギリまで近づいて、そこからは……。

 出来るだけ小声で……。


「本日のビックリドッキリモンスター! 発進!」

 くぅぅ! コレがやりたかったのよ!


 偶然とはいえ、こんな小さいモンスターを従えて。

 レベルのおかげで大量にクリエイトできた。


 もう、やるしかないだろう!

 オッサンとしては、これは外せないイベントだ!


〈何やってんだオッサン?〉


「オッサンにはオッサンとしてどうしてもしなければならない事があるんです!」


〈知ってるぞ、それ古いアニメのパクリだろ〉


「オマージュって言えよオマージュって!」

 思わずタメ語になっちまったじゃねぇか!


「それより暇じゃ無いじゃ無かったでしたっけ?」


〈別にダンジョン探索中でも見れるからな〉


「そこは集中しろよ」


〈それより、なんでそんな浅い階に居るんだ?〉


「そりゃ今回は俺一人ですからね! 安全マージン大事ですよ」


〈流石にビビり過ぎだろw〉


「そんな事はない!」


〈そうか? じゃあ、実際どんな戦闘になってる?〉


「レイスって強いなって」


〈透過は物理無効だからな、物理しかねぇ奴らなら攻撃手段ないからな〉

〈その分攻撃力が低いんだけど、今は高レベルなのと本来のレベルより高い能力で攻撃してるから、無双状態でしょ〉


「あ、白梅さんおはようございます」


〈なんで俺ん時挨拶しなかったのに、白の時は挨拶すんだよ〉


「格の差」


〈ところでメイちゃんとアンちゃん空飛んでない?〉


「それなんですけど、纏うとスキル共有出来るみたいです」


〈透過もか?〉


「それだけは回避能力が高くて当たってないのか、透過が効いてるのかイマイチ判断つかなくて、もう少し経過観察です」


〈スキルなんだから使えそうな気もするけどな〉

〈実態無いモンスターくらいしか持ってないスキルだからなんとも言えないけど、肉体的特徴ならわざわざスキル要らないし、使えてもおかしく無いわね〉


〈で、戦闘した感想はどうよ?〉


「余裕でした」


 物理無効がいる時点で勝負決まった感があるが、牛頭馬頭の連携による攻撃もかなり強い。スケルトンクラーケン達が軟くなって相手の目に体当たりしての目潰しも相当だし、スケルトン達も要所要所でいい動きしてた。


〈じゃあさっさと下降りろよ! そんな大所帯ちんたらしてたらいつまで経ってもレベル上がんねーぞ!〉


「はーい、わっかりましたー」


〈キモ! オッサンがそういう事すんなよ〉


 クソ! 気持ちだけは若い頃と変わって無いんだからな!


 現在のアンデッド内訳

 マテリアルスケルトンクラーケン(大) 五体

 マテリアルスケルトンクラーケン(小) 五体

 マテリアルスケルトン         七体

 牛頭                 三体

 馬頭                 三体

 可畏                 二体

 パワーゾンビ             二体

 纏レイス               二体

 ホーリーレイス            一体

 レイス               二十体

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る