第5話 準備完了
〈だっさ〉
〈おいおいプロじゃなかったのかよ〉
「うるさいなぁ、私だってこんなケース初めてなんだから仕方がないでしょう」
「え、そうなんですか? なんか自信満々だから既に実績あるのかと……」
「あ、実践ではって事ですよ! 日々どんな組み合わせだと、有効活用出来るか研究してますから!」
「有効活用?」
〈あ! 自白しやがった! やっぱり(売れ残り)を有効活用出来るようにしようとしてたな〉
〈確保ー確保ー〉
「違いますぅ! 今回たまたま私の考えてたプランのひとつに、ぴったり当てはまっただけですぅ!」
「あ、大丈夫ですよ、俺はしんじてますよ」
〈これだからオッサンは……〉
〈若けりゃ何でも良いんだろうな〉
〈今なら壺でも印鑑でも何でも買いそうだもんな〉
「ちょっと待って下さいよ! 俺がオッサンなのは反論ないですけど、何でも良いってのは訂正して下さい! アヤさんめちゃくちゃ可愛いじゃないですか」
「可愛いとか照れるー」
〈低身長、たぬき顔、目が大きい垂れ目、まぁオッサン世代の好みだわな〉
〈オッサンそういうの大好きだもんな〉
〈オッサンの好みとか、死ぬほど興味ないです〉
「とりあえず、コイツらは無視してゴブリン狩って来たんで、矢作りましょ」
え! いつの間に!
アヤさんって相当強い……。
言われるままに矢を作成して次の獲物を探す。
ちなみにサイズ関係なく、ゴブリン一体から十本の矢が作れた。
「実験ですけど、今はクロスボウ一個しかないけど、実際は十個で全員で攻撃するんで、全員どこまで近づけるかも見ておきましょ」
「そうですね、クロスボウって射程距離どれくらいですか?」
「普通は10m以上あるもんですけど……これだとなぁ、5mってとこじゃないですか?」
「射程距離まで九十%カットとかないですかね?」
「流石にそれは無いと思いますよ」
〈スペック九十%カットがどの部分にかかるかが謎すぎるな〉
〈四文字スキルだろ? 普通に考えりゃ使い物にならない程おかしな補正かからんだろ〉
〈レアスキルだし、下手すりゃユニークスキルかもしれないしな〉
〈スキルが使いづらいはあるだろうけどな〉
〈実際、この粗製濫造って使いづらそうだしな〉
〈見てる分には面白いけどな〉
ゴブリンを発見したので、スケルトン達と一緒にゴブリンに近づいていく。
十mを少し近づいた所でゴブリンに気づかれてしまった。
アヤさんにゴブリンを倒して貰ったから、特に問題は無かったけど、困ったなぁ。
「五mまで近づくの難しいですね」
「あのぉ、非常に言いにくいんのですが、原因は大井さんにあるかと」
「え!」
〈下手すぎんだよ! 近づくのが〉
〈だいたいネクロマンサーが何で一緒に近づくんだよ!〉
〈後方待機職な! 自分の特性考えろ〉
〈見てて面白かったから、俺はお前の行動支持する!〉
〈ほら、もっと俺たちを楽しませろよ〉
「それなら言ってくれれば良いのに!」
「いやぁ、やる気マンマンな歳上の方に言いづらくって」
クッ、ちょっとワクワクしてたのは否定出来ない。
改めてスケルトンだけでゴブリンに向かわせると問題なく近づけた。
草原の中を十五cm程度の物体が移動するんだから、そうそう見つからないよね。
パシュッという乾いた音と共にクロスボウから矢が発射された。
「ギャ!」
ゴブリンが突然の事に驚いた様な声を出し当たりを見回す。
アヤさんが惚けているゴブリンをサクッと倒した。
「うーん、刺さってはいるけど……麻痺毒塗ったんですけど、効果見られないですね」
「もう少し数が必要ですか?」
「ですね」
その後徐々に数を増やしながら実験していくと、四本当たれば麻痺を起こす事が分かった。
「外した時のことも考えて、半分が麻痺毒、残りが普通の毒で行きましょう」
「はい、ありがとうございます」
〈オッサン、ずっと思ってたんだけど、知識無さすぎだけど、検索とかして事前に勉強とかしなかったの?〉
「いやぁ、検索しようにも何を検索して良いやら分からなくて」
〈思いついたワードを片っ端から入れるのよ〉
「はあ、やってみます」
〈スケルトン可愛かったから私は応援するわ〉
「ありがとうございます」
そんな会話をしながらクロスボウ全員分と追加の矢、矢を入れる矢筒などをクラフトし終わる。
「じゃあ、チュートリアルはここまでですね! 物品の用意もあるので明日は午後から来てください!」
「はい、了解です。 ありがとうございました。」
今日は帰ったら、日頃放置してるパソコンを立ち上げて、気になった事を検索してみよう。
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