<第2章を読み終えた時点でのレビューです>
桐人が小学5年生になった直後の春の朝、家族の些細な挙動の中に潜む異変から始まる。
母の手の微かな震え、父の目の逸れ、そして叔父の微笑の裏に潜む緊張。日常の境界に潜む小さなズレが、少年の心の奥底に不穏な波紋を広げる。
文章は静謐と動揺を交互に揺らし、自然にその空気感の中へ引き込む。
リズムが巧妙で、短いカットと長い描写が織り混ぜられ、揺れる。
少年の心理、呪いの兆し、視覚的刺激の三層構造が絶妙に絡み合い、感覚が刺激される。ユリの存在や道場の導入も、少年の煩悩と成長の文脈に深く絡み、物語に厚みを与えている。
少年の視線と心の揺れを中心に据えつつ、呪いの前触れ、身体描写、心理描写、儀礼的緊張を絡め、読了後には、胸の奥で微かに残る熱や揺れ、視線の軌跡が脳裏に残る、非常に印象的な一篇です。
他人の胸を無意識に見てしまう。そんな煩悩めいた呪いに苦しむ主人公の少年、桐人。自分の意思とは関係なく視線が勝手に女子の胸にいってしまうなんて、いったいどんな呪いなの!?
学園ラブコメ系かと思いきや、急展開が待っていたり。とにかく主人公の周りで色々と起きるので飽きさせないストーリーが◎
剣道やってる女子というのも個人的に好きです。剣道とか空手とか弓道とか、そっち系のヒロインが好きなので◎
そして、第四章からは上記の通り急展開が待ってまして····それは読んでのお楽しみなのです!
青春学園ファンタジー+α好きな方はオススメ。
更新楽しみにしております♪
他人の胸を無意識に「見てしまう」——
そんな呪いめいた視線の衝動に苦しむ少年・桐人は、小学5年生の春、ある寺で不思議な「印」を受けた。
それ以来、彼の人生は静かに、しかし確実に狂い始める。
視線をコントロールするために身につけたのは、動体視力、カメラアイ、周辺視野認識という常人離れした能力。
だがそれでもなお、「揺れるもの」への視線だけは抑えきれない。
呪いか、それとも本能か。
青春と羞恥、好奇と孤独のはざまで、桐人は普通とはほど遠い思春期を戦い抜く。
そんな彼の前に現れたのは、剣道全国優勝の美少女・大宮さくら。
そして再び同じクラスとなった暴力系従妹・ユリ。
「視る力」は煩悩か、それとも才能か。
剣と視線が交差する、とんでもなく歪で、切なくて、笑える青春ストーリーが今、始まる。
現代ファンタジー × 学園バトル × 青春伝奇
主人公はタイトルにある通り、呪いにかかり苦悩する男の子
男の子だし仕方ないね、となりそうなところ、なんとこれを努力で克服しようとします
まずこの時点でめっちゃ面白い
知らず知らず修行になっているあたりとか妙な説得力に笑ってしまいます
しかしながら揺れ動くの物語というもの(隠喩)
一見アレな主人公の呪いですが、ちょいちょい挟まる解釈や理屈がツッコミながらもスルスルッと面白く読めるので、全然いやらしくもくどくないです
比喩も上手かったりで気付けばスイスイと読み進んでしまいます
あとお爺ちゃんすき
序盤、主人公と勝負することになる登場人物たちも、戦い終わればで嫌みなくスッキリしてるところも読後感の良さに繋がるんですよねぇ
あとお爺ちゃんすき
文もセリフや行間で相互補完されていて、非常に無駄がなく読みやすく
話の展開も駆け足にならない程度にスピーディーなので、凄いなぁと
日常から非日常への移り変わりも明暗含めて自然で、ここからが本番、本領発揮といった流れもお見事
伏線も過剰すぎず、導線がブレてないので追いやすいです
サクッと学園コメディとして読んでみようかな、という感じから、気付けは本筋の話に嵌まってしまう方も多いのでは、と感じます
これで8月半ばからの初投稿作品というのは、本当にびっくりです
ぜひぜひオススメさせていただきますので、皆様お読みくださいませ٩(ˊᗜˋ*)و