トラック2 カノさんの耳かき(悪戯あり)後編
(前編の続き)
//SE かき棒で耳かきをしている音
耳かきのみのパート3、数分
(台詞入りパート3)
(カノ、耳かきをしながら主人公と話している)
(主人公、景色を見ながら呟く。「……夏、だなあ」)
「そうだね、夏だねえ」
「私がいる世界はまだそこまで暑くないけどさ」
「少年たちが住む世界は本当に暑くて、嫌になっちゃうよ」
(主人公、尋ねる。「さっき、暑くないようにってお参りしてたのは……」)
「ん? ……ああ、さっき言ったね」
「神社で、『もうちょっと涼しくなりますように』ってお参りしてたって」
「うん、あれは本当」
(主人公、不満そうに言う。「神様なんだから、何とかしてくださいよ」)
「やっぱり、そういわれちゃうよね~。神様なんだから、何とかしてくれって」
「そうしたい気持ちはやまやまなんだけど……」
「天気のことは管轄外でさあ。私も祈るしかできないんだ~、ごめんね」
(主人公、不満そうに口をつぐむ)
「あ~、『なんだ、使えない神様だな』って顔してるな~?」
(茶化すように)「露骨にそんな顔されると傷ついちゃうぞ~、しくしく」
(主人公、たじろぐ。「す、すみません……」)
「な~んて、冗談冗談。ごめんね~」
「無駄話はやめて、カリカリに集中~」
(台詞入りパート3、終わり)
//SE かき棒で耳かきをしている音
耳かきのみのパート4、数分
(台詞入りパート4)
(カノ、耳かきをしながら主人公と話している)
(主人公、尋ねる。「カノさんは、普段ここで何をしているんですか?」)
「ん~、私が普段ここで何してるかって?」
「そうだな~、結構忙しいよ」
「景色をぼんやり眺めたり……」
「ぼうっとしたり、お昼寝したり……」
「でもって、身体がなまっちゃわないように運動したり……」
(主人公、呆れる。「ほぼ何もしてないじゃないですか……」)
「むっ、何もしてないとは失礼だな~」
「今言ってなかっただけで、ちゃんと仕事とか勉強もしてるよ~」
「私は産業の神様だからね」
「人間たちがいつも美味しいものを食べられるように」
「作物の実る量を増やしたりとか」
「食べ物だけじゃなくて、生活が豊かになるように」
「便利な技術を作ろうとしてる人間に、アイデアを沸かせたりとかね~」
(悲しそうに)「でも、最近は複雑な機械が多くて難しいよね……」
「日々勉強してるけど、発展が早くて追いつかないんだよ」
「そういう意味じゃあ、人間の進歩ってすごいよね」
「無理はしてほしくないけど、これからも頑張ってほしいよ」
(主人公、言い返す。「なんか神様っぽいこともしてるんですね」)
「こら~、なんか神様っぽいとは何だ。お姉さんは、立派な神様だぞ~」
「よ~し、無礼な少年にはお仕置きだ」
(カノ、耳かきをしていた耳に向かって息を吹きかける)
//SE ゆっくりとした耳ふー、一回
(主人公、たじろぐ。「だ、だから、それやめてくださいって!」)
(得意げに)「ふふん、どうだ、参ったか~」
「こんなところで、カリカリも終わりにしようか」
「あんまりやっても、少年のお耳が痛くなっちゃうだろうし」
(カノ、耳かき終了)
トラック2 終了
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