助けたはずが、世界が壊れた
- ★★★ Excellent!!!
田園の片隅で、ひっそりと踊る妖怪がいた。
名前は「くねくね」。目撃すれば数日間、正気を失い体を揺らす呪いにかかる――そんな存在として知られている。
だが、この「呪い」には隠された効果があった。
それは一時の代償と引き換えに、病を癒やすという奇跡。
この力を悪用した殺人事件をきっかけに、くねくねは自らの無実を証明するため、人間社会に潜入する。
正体を悟られれば周囲に被害が出るという絶望的なハンデの中、段ボールに身を隠し、豚小屋の影に潜みながら進むスニーキング・ミッション。
しかし時代は変わっていた。
人々はくねくねの「絵」にすがりはじめ、その姿を「アマビエ」と呼び、あまねく広めた。
その結果――くねくねは、世界を癒す救世主として偶像化されていく。
だがその代償は、あまりにも大きすぎた。
世界は、静かに崩壊を始める。
これは、世界を救おうとした妖怪が引き起こした、誰も望まなかった悲喜劇。
善意で始まったミッションが、人類を破滅へと導くまでを描く、逆転オカルト寓話。