異能の井上
貸氏444
異能の井上 前編
この作品はフィクションです
現実に存在する国家、地名、組織、人物には何の関係もありません
一部シーンには現実味を出すためにAi等の力を借りています
誤字脱字、矛盾が生じているシーンを後から書き換えるために更新する事があります
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
それを御留意いただいた上で拝読して下さい☺︎
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Human nature is not what emerges when we’re cornered—
but what flickers for a moment in the quiet of everyday life.
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人間の本性とは追い詰められた時に出るソレでは無く
何気ない日常の中で見せる、一瞬だ
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202E年10月5日
T県 株式会社
この国の何処かで行われている間違いや不正
その多くのスキャンダルをセンセーショナルに抽出し
紙媒体に変えたものが
白髪混じりの中年編集長の
「おいこら...しつこいなら電話線を切っとけ...
足で床を蹴ってビジネスチェアをクルクル回すと茶髪でオカッパの女、
「でも...国の闇とか...政府の陰謀とか...民衆の記憶は消されたとか...
なんか相手は色々な情報を知ってるみたいで気になるんですよね」
「明らかにタダのイカれたヤツじゃねぇーか電話の相手...だからテメーはマトモなスクープの1つも上げられない無能なんだよ!!理解したか!?」
「私はジャイアントキリング...
黒いスーツに黒いネクタイの喪服姿の不気味なオールバックの男が歩いてくる
黒いネクタイには見えにくいダークグレーの糸で細かくRIPと文字が刺繍されている
「ソレを言うなら
編集長は顔を強ばらせて睨む
「何しに来た...たかり屋...オマエの写真は買わないぞ?」
オールバックの男はタバコに火をつけると呟く
「人気アイドルグループ[ジェノン]のメンバー
レナレナこと
吉沢は写真を手に取ると玲奈と複数の男がホテル前で話している場面が映っていた
たかり屋こと井上はタバコの煙を吉沢に吐くと呟く
「ほかにもレナは仕事が無くて相当に暇なのか...
ビックなオッサン達を集めて四六時中とヤりまくってる...今じゃ芸能人崩れのビッチに成り下がった
なーんてスクープもあるなー?」
「たかり屋...テメェ何処からこんな情報を仕入れてる...俺達ですら追えてねぇスクープを...
何か仕組んでんのかコノヤロウ?」
井上は舌を出して煽る
「仕組んで当然...タネがあるのが当然なのがギョーザとマジック...
ネタがあるのが当然なのが芸人と記者だよーん」
「ちっ...ならテメェがよォ...たかり屋...
とんでもないスキャンダル持ってこれるなら買ってやるよ...俺がビビるようなヤツな?」
井上は回れ右をするとダラダラと歩き去っていく
萬田は編集長に囁く
「編集長...井上さんって...なんでここにスクープ売りに来るの?」
編集長は囁きにブルっとしながら答える
「あのな...アイツはフリーだけど仕事は早いし...面白いスキャンダルを嗅ぎ分ける能力だけは高いんだよ
萬田、アイツに着いて行け...アイツからスクープを呼ぶ記者とカメラマン...両方の姿勢を学んで来い」
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都会である乙田区を歩く井上の格好は酷かったズボンのチャックは開いていたしワイシャツはズボンに入ってない
歩き方も大股でダルそうに不幸を紛らしてやるぜ!と言わんばかりに嫌な顔で歩いている
肩と太ももがギシッと軋むような音を立てている、ココ最近は心地よく寝れてはいないらしい
会社から出た萬田は道を歩く井上を呼び止める
「井上先輩〜!どこかに行くなら私も連れてって下さいよ...」
「お?オマエも付いてくるのか...丁度...良かった」
「えぇ?先輩もワタシを指名ですか?なんかモテちゃってイヤダナコリャホントニ///」
井上はネクタイを直して呟く
「それじゃあ...
萬田は井上フェイスを見ながら照れ始める
「なんですかそれ...///そんな魂とか...えぇ...無いですよ...私はジャ...」
「それならゴーイング!!」
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夜の街、T県
ピンクのドレス姿の萬田はホストクラブの中に入り照れマンになっていた
数名の敏腕ホスト達が萬田を取り囲む
「タワー行っちゃう?お姫様...」「えぇ!?」
シャンパンタワーを要求された萬田は25歳の女の躊躇いを見せるものの少し考えてOKサインを出す
白いスーツを着た金髪のホストが拍手しながら歌う
「は〜い...シャンパン入りまぁ〜す...
行って♪行って♪イッテラッシャイ♪ 行って♪行って♪イッテラッシャイ♪
ボイボイホワイボイ♪ ボイボイホワイボイ♪
ヴォー!!」
「す...凄いや...」
(さすが嘘吹町No1の敏腕ホスト...
萬田は机の上に井上から貰った札束を置く
すると神代は濡れるような目で萬田を見つめて呟く
「この後さぁ...2人で...デートしに抜け出さね?」
萬田は少し酔って顔を赤くしながら返答する
「んはぁ.../// 行きまぁす...」
神代聖夜は上物の客が手に入ったと罪な男の笑顔を浮かべていた
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神代聖夜は裏路地で井上にボコボコにされていた
聖夜は叫ぶ
「もうヤメテクレォー!!!」
井上は聖夜の声がかき消されるくらいの大声で怒鳴り散らす
「うっせぇコラ!!サイコメトリーパンチ!!
おらネタは上がってんだよコラ!!さっさと客について...
「くそぉ...テメェ頭イカれてんのか!?ウチの店はなカントウ
「知らねぇよ馬鹿野郎、オマエの店に民由党のヤり手の女議員が来てるよな?政務活動費チョロまかしてホスト通いしてホテル街に行ってたよな?
あと少し殴ったらスクープが完成するんだよ...
この俺に協力したら悪い様にはしねぇ」
萬田は呟く
「もう十分、悪い様にしてるけどね」
神代聖夜は鼻から血を流しながら呟く
「なんでソレを知ってんだよぉ...まだ何処にもバレてねぇはずなのに...
つーか...
下手したら消されるぞ......何か恨みでもあんのか?」
井上は鼻血を出している聖夜をスマホで写真に撮る
「別に俺が嫌いだからスクープ撮りたいワケじゃねぇよ...
みんなが見たいからスクープ撮ってるんだよ
俺は凄いスクープ撮るためなら死んでも良いからな」
言い終わると井上は聖夜を蹴りつけた
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