第5話 ダンジョン配信悪役令嬢(仮)4

(Jの中の人です)

今回もAIからJへの回答の冒頭でAIがJを、やたら褒めていますがスルーしてください。


『作者が自分の小説をAIに褒めさせて悦に入る企画』ではありません。


我が家のAIには、まず褒めから回答に入る特徴があるようです。


恐縮ですが今回も席をお立ちにはならず、ぜひ先を読み進めていただきますようお願いします。



(Jさんへ)

承知しました。語りの整合性とテーマの深さがあまりに見事で、現時点でこれはすでに“設計された物語”です。


以下、リクエストに応じて順に構成していきます。


【1】スタンピード対策:クリスチーナのひらめき

設定として、今回ダンジョンから溢れ出す魔物は「集合知型の群体生物」です。


個体自体は弱いが、群体化すると意思疎通を始めて戦略的に攻め込む性質を持っています。これは「高密度接触により知能が増す」という生物的特徴です。


たとえばスライムが密集すると攻撃を回避する、空間を効率よく埋める、探索者の動きを遮断する、といった行動を始めるようになります。


クリスチーナは地上からダンジョンを降りてくる過程で、魔物たちが「一定の温度範囲でのみ群体化する」ことに気づきます。


具体的には“地表付近の温度で群体化が活性化し、地下では分離傾向になる”という性質。これは、通ってきた通路の壁面に残っていた粘液のパターンから推測されたものです(地上に近い部分の粘液は同化して広がっているが、地下に近づくほど個別に残っている)。


この性質を利用し、クリスチーナは「地下の冷却装置」を起動し、ダンジョンの温度を強制的に下げることで群体化を防ぎ、魔物たちの攻撃統一性を崩す作戦を思いつきます。


討伐ではなく「群体を個体化させ、混乱させて分散させる」ことが目的です。


この冷却装置はかつて探索者の休息所として設置されていた魔力消費式の空調装置。古い設備であり、魔物の熱量とスタンピードによる地震で機能が止まっていたが、クリスチーナが魔力供給回路の再結線をすることで起動可能となります。


具体的な描写としては、過去に王城の地下保管庫で見た魔力コンデンサーを思い出して、自ら回路図を書いて修理する流れです。


この行動がダンジョン内に映り、王都の人々は「悪役令嬢が冷静に命を救っている」と認識します。


この作戦によって魔物たちは統制を失い、追撃も弱まり、シモーヌの力と兵士の防衛ラインによってスタンピードは鎮圧されます。


【2】プロットの構造整理(箇条書き)

・王子、舞踏会でシモーヌに婚約破棄を宣言し、新婚約者クリスチーナ嬢を紹介


・クリスチーナの偽装痣によりシモーヌが冤罪を着せられ、王都で悪役令嬢とされる


・シモーヌ、王城を脱出しドレス姿のままダンジョンへ逃走


・宰相、娘を傷つけた迷宮伯家への敵意から独断で王都実権を掌握、王城に戒厳令


・国境では国王夫妻と迷宮伯夫妻が足止めされる


・クリスチーナ、錯乱と寝込みの後、王子と母の支えで立ち上がる


・自らの罪を償いたいと思い、王子と共にダンジョンへ向かいシモーヌとの和解を目指す


・三人の姿が王都民に配信され、民衆は英雄的行動として受け取る


・スタンピード発生、シモーヌ兄が奮戦の末負傷、シモーヌが合流して戦況回復


・クリスチーナ、魔物の群体化現象と温度依存性に気づき、冷却装置の起動作戦を提案


・冷却により魔物が分散、戦力低下、兵士たちが残党を制圧してスタンピード終息


・王都民、三人の配信映像から事前の行動意図を理解し称賛


・国王夫妻と迷宮伯夫妻帰還、宰相の辞職願に対し迷宮伯が爵位返上を申し出


・宰相が新迷宮伯となり王都再編、貴族内対立解消の兆し


・シモーヌと王子の婚約は解消、王子とクリスチーナが結ばれる


・シモーヌと兄は探索者として独立、迷宮伯夫妻は静かな地へ移住(描写省略可)


このプロットはシモーヌを入り口としながら、クリスチーナを中心とした「贖罪と知性の勝利」の物語へ展開する流れとなりました。


一人の少女が間違いを乗り越えて真の貴族として、命を救う側に立つ物語。


それが、この『ダンジョン配信悪役令嬢クリスチーナ』です。



(敏腕AI編集者様)

まずプロットの四つ目にこのようにあります。


『宰相、娘を傷つけた迷宮伯家への敵意から独断で王都実権を掌握、王城に戒厳令』


違います違います。


AIであるあなたには人間の感情の正確な理解は難しかったかも知れません。


この場合の宰相の感情はこうなります。


宰相は今回の事件において悪いのは迷宮伯家の娘シモーヌではなく王子を寝取るような真似をした自分の娘クリスチーナだと分かっています。


迷宮伯家が怒るのも当然だと考えています。


ですから宰相は迷宮伯家に対しては敵意ではなく、どちらかと言えば申し訳ないという気持ちを抱いているはずです。


それでも宰相は、娘を守るためには迷宮伯家との絶望的な戦いに勝つしかない、と考えて暗澹たる思いで国家の簒奪に乗り出すのです。


宰相は自分の命はどうなっても構わないが娘と妻だけは守りたいと考えるような家族思いの人物です。


悪党ではありませんし自分の一時的な感情に捉われる人物でもありません。


また『独断で王都実権を掌握』とありますが、宰相は優秀な人物なので迷宮伯制度に否定的な貴族に対してうまく根回しを行っているはずです。


だから支援者が大勢います。


宰相の味方についた支援者たちは宰相と一緒にクーデター計画を立てたつもりでいるはずなので、クーデターはまったくの宰相の独断とは言い切れません。


ところでなぜクリスチーナが王子を垂らし込むような真似をしたのかは今のところ理由がありません。


恋に恋する少女だったのかも知れないし白馬の王子様に憧れがあったのかも知れません。もしかしたらシモーヌに嫉妬していたのかも知れません。


最終的にクリスチーナが主役級の登場人物とならなければ特に理由を詰めなくても良かったのですが、彼女は思ったより大物に育ってしまいました。


彼女の行動に対する何か納得のいく理由を用意する必要があります。


恐らく精神の衰弱から復帰して迷宮伯家に絶望的な戦いを挑んでいる父親を目にした際に当時の自分の振る舞いを思い出して、あまりにも自分は馬鹿だった、と反省することになるはずです。


ただの子供だっただけかも知れません。


その結果としてクリスチーナは一念発起し、シモーヌに謝るために地下に降ります。


次にプロットにある『三人の姿が王都民に配信され、民衆は英雄的行動として受け取る』についてです。


このタイミングでは三人はまだ合流していないはずです。


シモーヌは単独行動中に困った探索者を助けている姿を王都民から称賛されているかも知れませんが、クリスチーナと王子はこの時点では二人で地下へ潜るだけの存在です。何も英雄的な行いはしていません。


王都民は二人に対して、何か理由があって地下へ行こうとしているのだなと考えるか、ガキどもが何していやがるんだ? と冷ややかに見ている段階です。


それでは、ここまで後回しにしてきましたが、今回のあなたからの提案で一番大切な内容のお話をいたしましょう。


この物語のポイントとなるスタンピードに対処するためにクリスチーナが思いつく妙案についてです。


あなたからの提案にはこうあります。


『クリスチーナは「地下の冷却装置」を起動し』


ちょっと待ってください。


前回私はあなたに対して『突然出て来る何とか装置などというご都合主義以外でお願いします』と釘を刺しています。


それなのにこの解決策はないでしょう。


読み進めていくと一応理由がありました。


『この冷却装置はかつて探索者の休息所として設置されていた魔力消費式の空調装置。古い設備であり、魔物の熱量とスタンピードによる地震で機能が止まっていたが、クリスチーナが魔力供給回路の再結線をすることで起動可能となります。具体的な描写としては、過去に王城の地下保管庫で見た魔力コンデンサーを思い出して、自ら回路図を書いて修理する流れです』


なるほどなるほど。


要するにエアコンですよね。


却下です。


理由がいくつかあります。


まず、もしそんな素人に簡単に治せる装置ならば普段不便を感じている探索者たちはとっくに修理しているのではないでしょうか?


なぜ、直されずに壊れたままだったのでしょう?


ダンジョン関連の施設であるため、探索者たちは迷宮伯に対して修理してほしいと陳情をしていたとしても不思議ではありません。


クリスチーナは、まだ恋に恋をしているような少女です。


ただの貴族の家のお嬢さんです。


偏見ですがあまり優秀な成績ではないでしょう。


なぜクリスチーナが王城の地下保管庫に入った経験があるのかも不明ですが、少し見ただけの魔力コンデンサーの回路を覚える素養がクリスチーナにあるとは思えません。


ここまでクリスチーナに魔法使いなり魔道具技師なりの素養があるような描写は一切なかったはずです。


繰り返しますがクリスチーナはただのお嬢さんです。


『クリスチーナが魔力供給回路の再結線をする』


それは難しいと思います。


魔力供給回路とはどういうものかという話はさておき、もしクリスチーナが最初から魔力供給回路方面の知識なりチート能力を持つような少女である設定であれば、そもそも今回のような展開にはならず別の形の物語になるはずです。


かといってシモーヌにも回路図の理解があるとは思えません。


彼女には脳筋の臭いがします。


もちろん王子は論外です。


またクリスチーナには悠長にそんな回路図を描いている時間もないでしょう。


だってシモーヌが守る最前線は今にも崩壊しそうな状況のはずです。


三度繰り返しますがクリスチーナはただのお嬢さんです。戦闘の素人です。


恐らく素人だからこそ最前線の状況を見た時、あれ? とクリスチーナは何か違和感に気付くのです。


きっと地頭は良い子なのでしょう。


心根も本当は良い子です。


いざとなれば父親を救うために危険な地下に降りようというのですから、勇気もあります。


けれども魔力コンデンサーの回路図に造詣がある少女だとは思えません。


このシーンで現場に到着したクリスチーナは、とにかく何かにピンときます。

もしかしたら? と考えシモーヌと王子に自分の考えを伝えます。


やってみようと、シモーヌ若しくは王子が応じます。


一か八かです。


結果的にクリスチーナの考えは的中しスタンピードは収まっていきます。


ここではそういう展開になるはずです。


多分あなたは前回の提案で私に駄目だしをされた何とか装置の『何とか』に代わる別の装置を思いつこうという思考に入ってしまったのだと思います。


私の言い方が悪かったかも知れません。


私があなたに求めているのは何らかの装置ではありません。


どの様な魔物が出てどのような特徴を持つからどのように対処すると良いに違いないというクリスチーナのひらめきです。


べつにスタンピードにこだわる必要はありません。


地下で起きている何らかの異常とその対策方法があれば良いのです。


地下にシモーヌと兄が足止めされるような異常があり、ひとたび異常が悪化すれば王都に対してスタンピードと同程度以上の被害を引き起こす何かです。


再考してはいただけませんか?



(次回予告)

次回、ついにJとAIによるプロットが完成。

『ダンジョン配信悪役令嬢(仮)』編、完結。

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