4. 大いなる力には大いなる責任が伴う

” With great power comes great responsibility. ”

(大いなる力には大いなる責任が伴う)


『スパイダーマン』シリーズに出てくるベンおじさんの名台詞だ。

 そして、これこそがヒーローになるか、ヴィランになるか、の違いだろう。

 世界最強の軍事力を誇るアメリカ合衆国が「世界の警察」として機能すべきだという、スパイダーマン制作当時(1960年代)の背景もあるかもしれない。


 ところで、トニー・スタークはただの人間である。クモにも噛まれていないし、超人血清も打っていない。もちろん親類縁者に神や宇宙人もいない。

 彼は最初から最期まで、自分の知能と科学技術で作り上げたパワードスーツを身にまとって戦い続け、あくまでもただの人間だった。

 脆弱な肉体に反し、大きな脳からもたらされる知能と科学技術で、地球の王者に君臨するホモサピエンスの象徴ともいえるヒーローが「アイアンマン」である。


『エンドゲーム』のラスト、サノスはトニーへ

" I am inevitable."

と宣言する。字幕は「私は絶対だ」だったが、正確には「いかにお前の知恵を駆使しても避けられない禍だ」といった意味合いだろう。

 天災vs人類という構図だ。

 そして、トニーのサノスへの返答はこうだ。

" I am Iron-Man."

 第一作目のラストのセリフだ。

 トニーはこの言葉とともに自らの命をかけて、サノスに打ち勝った。


 キャプテンアメリカでもなく、雷神ソーでもなく、超人ハルクでもなく、ただの人間であるトニー・スタークが世界を救ったことが、人類への賛歌になっていると思う。

 しかもトニーは元々「死の商人」という罪びとである。

 その過去(罪)は決して消えることはないが、トニー・スタークこと「アイアンマン」は紛れもない英雄ヒーローなのだ。


※詳細はぜひともMCU22作品を観てほしい!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る