⒈ MCUとRDJ
MCUとは、Marvel Cinematic Universe(マーベル・シネマティック・ユニバース)の略語である。
週刊少年ジャンプで例えると、悟空とルフィとナルトと炭治郎が力を合わせて大きな敵と戦うコラボ作品だ。
このMCUはアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクが揃った『アベンジャーズ』で世界的な人気を誇るようになった。
しかしながら、彼らは企画当時あまり有名なヒーローではなかった。
マーベル社は90年代に倒産危機となり、手持ちのヒーローたちの映像化権を切り売りした。その時、スパイダーマンはソニーが権利を獲得し、X-MENとファンタスティック4は20世紀FOXが獲得している。
その後、マーベル社は一度倒産し、紆余曲折の末にディズニーの子会社として復活を遂げる。
この間にソニーは『スパイダーマン』シリーズを、20世紀FOXは『X-MEN』シリーズを大当たりさせ、マーベルのヒーローたちは知名度が高まっていった。
この波に乗りマーベル社も映画で再起を図ろうとするが、上記の通り人気ヒーローの映像化権は失っていたわけだ。
そんなマーベル社に、救世主が現れる。
その名はケヴィン・ファイギ。アメコミ界きっての超オタクである。この男がMCU版『アベンジャーズ』の企画を作り上げた。
かくしてマーベル社一世一代の大博打MCUの企画が始まる。
その第一作目『アイアンマン』の監督には、ジョン・ファヴローが抜擢された。
そして、彼がアイアンマン/トニー・スターク役にと推薦したのが、当時から演技力に定評があったロバート・ダウニー・Jr.(以下、RDJ)だ。
RDJを起用することに、当初マーベル社は難色を示した。
それは当然の話で、RDJはすでに四十代であったし、なによりアルコールと薬物の問題を長年抱えていたからだ。
年齢はさておき、アルコールと薬物の問題があり逮捕歴まである俳優をヒーローとしてキャスティングすることなど、普通はありえない。
ただ、この時RDJは本当に崖っぷちで俳優として終わるかの瀬戸際であった。
そんな彼が本気で挑んだアイアンマン/トニー・スタークの役作りはオーディションで他の候補者を圧倒し、マーベル社も満場一致でキャスティングを決定する。
そして、いまやトニー・スタークのキャラクターはRDJが演じる以前のトニー・スタークを思い出せないレベルでアメコミ界を席巻している。
間違いなく、RDJがいなければMCUの成功はあり得なかった。
それにRDJはアイアンマンにキャスティングされ以降、酒を断ち薬物をやめ問題を起こしていない。
挫折した者が問題を克服し復活を遂げる生き様は、アメコミヒーローそのものだ。
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