深夜ラジオだけが、心に響いた時代があった。

昔、個性的なラジオパーソナリティによる深夜ラジオのブームがありました。
夜の静寂のなかで届く声だけのエンターテイメント。

なぜかリスナー各人がそれぞれ自分だけの密やかな楽しみとして受け取り、ラジオパーソナリティと繋がっているような気分だったと言います。

そんなブームの終わり頃から現在まで続く大きな足跡をラジオ界に残したパーソナリティがいました。
伊集院光さんです。

現在、テレビタレントとして活躍されている同氏は、そのキャリア初期、特異な個性のラジオパーソナリティとして、世に知られました。

そんな伊集院光に惹かれた作者ゴオルドさんの大学生の頃から始まるエッセイです。

伊集院さんのラジオファンの友人を得て、ハガキ職人となり、執筆活動に傾倒しやがて各種新人賞を獲得される。
今後は長編小説の刊行を目指しているゴオルドさん。
その創作活動の端緒となった伊集院さんにまつわるお話と感謝の密度が高いのです。

好きなものを語る、勢いと圧と熱量は、関わりのない者が接しても伝播するものです。

長い期間に渡る推し語り。
皆様。滔々と押し寄せる言葉の流れに浸りましょう。不思議に楽しいですよ。

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