文章力を上げる練習
最初でも言いましたが、私はもともと小説界隈ではなく絵描き界隈の人間です。
大きなキャンバスに絵の具で描くようなやつです。
絵の基礎的な画力を向上させるための練習方法をご存じですか?
そう、デッサンですね。
毎日決まった時間、デッサンをします。
画風としてわざとデッサンを狂わせることもありますが、出来るけど意図的に狂わせることと、出来ないから“狂ってしまう”のではまるで意味が違います。
この画力に当たるものが文章力であるのなら、デッサンに相当するものは何でしょうか?
比喩でしょうか?
少し違う。
文章の模写と分解。
私はこれだと思いますね。
よくお坊さんなどがお経を写経してたりするのが近いかな?
プロの作家さんの文章を、模写して、さらにそれを分解して観察してみましょう。
こんな言い回ししてたんだ、こういうところが読みやすさに繋がってるんだ、とか発見が多いのではないでしょうか。
身の回りのものを簡単に、忠実に言葉で表現してみるのもいいですね。
比喩などでぼかさず、何が、どこに、どんな風に、を簡潔に正確に言語化してみましょう。
結構語彙力使いますよ。
文章力の基礎を鍛えてくれるものは、あなたの中にも存在しています。
「むかつく」「やばい」「草」
便利な言葉ですね。
この一言の中に多くの感情が内包されています。
それを分解して紐解いてみてください。
もちろん「むかつく」「やばい」「草」などの言葉は禁止です。
「わたしの話を聞いてくれなくて寂しかった、悔しかった」
「もっと一緒に話していたかったのに気づいたらもう時間が過ぎていた」
そんな気持ちを「むかつく」とか「やばい」で普段片付けていませんか?
教材は日常の中にこそあるものです。
さて、こうして正確に“観ること”ができるようになったら、次は“感じたままに描く”番です。
つまり比喩の時間ですね。
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