言葉を彩る創作ノート

無欄句カルタ

書きたいと読みたいは別物


 今は「なろう系」ブームの真っ只中。

 追放系、ざまぁ系、悪役令嬢もの……細分化も進み、多くの読者に支持されています。


 投稿サイトでは、手軽で爽快な展開が好まれる傾向が強い。

 それは紛れもない事実で、人気ジャンルには多くの読者が集まり、結果として作品も読まれやすくなります。


 でも、あなたは本当にそれが「書きたい物語」ですか?


 たしかに、人気ジャンルはテンプレートも多く、書きやすい。

 けれど書き手の中には、「伝えたい想い」があって、あえて王道から外れる人もいる。

 私もそのひとりです。


 結果は……まあ、あまり読まれていません。


 でも、それでもいい。

 私は好きで書いています。


 たくさんの人に読んでもらうことを目的にしているなら、王道を書くのが近道です。

 でも、何かを伝えるために書いているのなら、自分の言葉を選ぶべきだと思うのです。


 感想や評価は確かに嬉しいし、励みになります。

 だけど、それが目的になってしまうと、書くことそのものが苦しくなってしまう。


 感想も評価も、あくまで掃除の中で偶然見つかる500円玉。

 思いがけず見つかると、もちろん嬉しい。

 でも、それを探すために掃除をするわけじゃない。

 書く理由も、それと同じじゃないでしょうか。


 もし書くことが苦しくなったら、正反対のジャンルを試してみるのも一つの手。

 創作にはいろんな角度からのアプローチがあります。


 でも、どんな形であれ──

 原点だけは、どうか忘れないでください。


 500円玉は、目的じゃないのですから

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