このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(281文字)
世界から完全に忘れ去られた存在が「在る」世の精神異常の中にはそれらを視ることが出来ているだけなのかもしれない。自分にも、忘れている誰かがいるのかもしれない。そんな想像をしてしまいました。
現実と幻想の狭間を舞台とした短編小説。空白の絵、止まった時計、消えゆく姿が、詩的で哲学的に存在とは何かを問いかける。静謐な恐怖と余韻が心に残る秀逸な作品です。