異世界で通販を使って成り上がる

なぎさセツナ

第1話 異世界転生

会社の経営者だった神流なぎさ、しかし業界最大手の大企業に買収され、会社を失う。

身体も壊していたなぎさは遂に寝たきり同然になり、食事も豆腐とサプリメントしか受け付けなくなった。


(神流なぎさ)

うーん、遂にここまで身体が壊れるとは……

なんとかしたいんだが……もう手段が無い。

やれるだけやったなぁ……どうするか……



そんな事を考えながら眠りについた。

翌朝目が覚めると……


(神流なぎさ)

うーん……うん?簡単に起き上がれたな?

空が青いな、良い天気だ…………えっ?

空が青い?良い天気?なんで見える?

部屋のベッドで寝てたよな……

ん?



なぎさの目に見た事がある物が目に入る。


(神流なぎさ)

ん?これは……胸?

おっぱいあるぞ、しかも結構デカいな、これは……



なぎさは下半身を調べる。


(神流なぎさ)

ちん●もあるしマン●もある!

これは……"ふたなり"だ!

やった!理想の身体、"ふたなり"を手に入れたぞ!



なぎさは大喜びした。


(神流なぎさ)

でだな、これはどう考えても異世界転生だな。

あの状態で転移はないだろう。

身体も若返ってるし、大体18ぐらいか?

パフォーマンスも期待できる。

でだ、肝心のチートだが……

 【ステータス】

おっ!カンストか!無限ってのが良い!

魔法はと……全属性使い。

スキルはと……これ、無いもん無いんじゃない?

ほほぉ、"不老"とな、ならパフォーマンスは落ちないな。

ん?"無限通販"?なんだこれ?通販できるのか?

ちょっと試してみるか。



そう言うと、まずは食糧、すき庵の"うな牛"をポチった。

足元が光り……


(神流なぎさ)

マジか!



すき庵のうな牛が現れた。


(神流なぎさ)

味は?



なぎさは一口食べた。


(神流なぎさ)

美味い!これは良い!



お金は要らなかった。


(神流なぎさ)

お金不要、だから"無限通販"なんだ!

これだと食い扶持には困らない、取り寄せて売れば商売になる!

これ、一儲け出来るぞ!



なぎさ、分かったから、まず服着ようか。


(神流なぎさ)

えーっと、異世界転生の定番と言えば、まずは冒険者ギルドで冒険者登録か。

同じなら王都に行くか。



なぎさ、お前この世界の事、調べなくて良いのか?


(神流なぎさ)

王都まで歩く?面倒くさい。

あるかな?おっ、あった!



なぎさは"通販"でタヨト テラクルーザーをポチッた。


(神流なぎさ)

これで快適だ。

道悪いし、ここはSUVだよな。



なぎさは早速乗り込み、出発した。

だから早く服着ろよ。

道中じろじろ見られたが、全く無視するなぎさ。

まぁ、馬車の世界にいきなり自動車だ、まぁそうなるわな。


(賊頭:男)

おい止まれ!ぐぎゃっ!


(賊:男)

お頭ぁ〜!!



全く気にせず引き殺したなぎさ。


(神流なぎさ)

ん?あれ?なんかあった?気づかなかった……



濡れEURO NON-STOP MIXをガンガンにかけていたなぎさは気づいていなかった。

お前な、一般人だったらどうする気だったんだよ!

大体……いや、凹んでないから気づかないか……えぇぇぇっ!!!

移動は快適、食事は"通販"使い放題、寝床は車中泊、トイレは外だが土魔法で穴掘って埋める。

ゴミは消去魔法と便利に使いこなす。

もちろん雑貨も"通販"、魔物は腕試しに倒し、換金部位を回収。

これも魔法で出来るから、難なくこなす。

回収物は"ストレージ"だ。

ラノベよろしく"ストレージ"は時間が止まっている。

傷む事はない。


(神流なぎさ)

こんなところでラノベの知識が役に立つとは……



なら、早く"通販"で服買って着ろ、なぎさ。


(神流なぎさ)

そう言えば、ガソリン減らないな……いや、入ってない!

なるほど、これもチートっていうかスキルのお陰か、便利だな!

なら、自販機なんか置いて商売したら儲かるな。

食事処も出来るか、雑貨屋も出来るな、うーん色々選択肢があるな、ゆっくり考えよう。



途中、街や村があったが、ガン無視し、王都に直行ルートを走っていた。

なんで道がわかる?あっ、カーナビですか、便利だなおい。


(神流なぎさ)

しかしカーナビが使えるとはな。

これだと地図必要ないんじゃない?分からんけど……



快適な旅を続けるなぎさ。

すると王都が見えてきた。


(神流なぎさ)

あぁ、王都が見えてきたが……ラノベだと入るのにお金が要る。

身分証も要る場合がある……どうすっかなぁ……



車を止め、遠目に王都を眺める。


(神流なぎさ)

うーん……夜忍び込もう……いや、それだと寝床に困るか、ギルドも閉まってるかもやし。



という事で、堂々と昼間に入る事にした。

だから服着ろよ。


(神流なぎさ)

この辺で良いか。



なぎさはテラクルーザーを降り、収納した。


(神流なぎさ)

ここからは歩きだな。



歩いているんだが、周りからはジロジロ見られる。

中には可哀想な目で見る者も居る。


(神流なぎさ)

なんだろ?ジロジロ見られるな……



それはお前が服着てないからだ、なぎさ。


(門兵:男)

次……お、お前……


(神流なぎさ)

道中で盗賊に襲われて、全部取られたました。

なんとか逃げ延びたんですが、お金も身分証もありません(涙目)


(門兵:女)

ちょっと来い、それとこれを羽織れ、その格好じゃいくらなんでも……


(門兵:男)

大変だったな、通って良いが、とりあえず付いて行け、何か着るもんを渡してやれよ。


(門兵:女)

分かってる、衣服をやるから安心しろ。


(神流なぎさ)

ありがとうございます。



衣服と少しばかりのお金を貰ったなぎさ。


(神流なぎさ)

開放的だと思ったら、服着てなかったんか。



お前、今、気づくか(ため息)

とりあえず冒険者ギルドに向かうなぎさ。


(神流なぎさ)

ここか、とりあえず入るか。



冒険者ギルドに入り受付に行く。

あれ?"頼もう!"って言わなかったんだ。


(ギルド職員:女)

こんにちは。


(神流なぎさ)

こんにちは、冒険者登録したいんですけど。


(ギルド職員:女)

分かりました、この用紙に記入してください。



記入用意を渡された。


(神流なぎさ)

おっ!流石転生チート、読めるし書ける!

しかし、まともに書いたらヤバいよなぁ……

適当に書くか。

周りを見てみると……

 【サーチ】

うーん、なるほど。

Cランクぐらいにしとこう。



無難に適当に書いたなぎさ。


(神流なぎさ)

はい、記入しました。


(ギルド職員:女)

ではこの水晶に手を触れてください。

魔法適性と魔力を測定します。


(神流なぎさ)

えっ?あ、はい……



なぎさは記入に合うように調整したが……


(ギルド職員:女)

ん?

火魔法と申告してますが、水魔法の適性もありますよ?


(神流なぎさ)

えっ?ほんと?(汗)


(ギルド職員:女)

はい、まぁ、これだと生活魔法レベルですけど。


(神流なぎさ)

そうなんだ……気づかなかった。


(ギルド職員:女)

まぁ、これだとそれでも不思議じゃないですね。

一応、水魔法(生活)と登録しておきます。

魔力は……たしかにCですけど、限りなくBですね。

測定水晶によってはB判定が出るかもしれませんが。

ウチではCではなくBと……


(神流なぎさ)

いえ、そんなギリギリだと危なくないですか?


(ギルド職員:女)

うーん……そう言えばそうかもしれませんが、受けれるクエストが変わりますからB登録しておいた方が良いですよ?

普通は上のランクでという冒険者が多いんですけど。


(神流なぎさ)

いえ、その、商売もしたいと思ってますから。


(ギルド職員:女)

そういう事ならCで登録します。

商売は何を?


(神流なぎさ)

うーん、まだ決めてないです、これから探そうと。


(ギルド職員:女)

そうですか、なら、こちらにも記入を、商業ギルドへの登録も必要ですから。


(神流なぎさ)

分かりました。



別の用紙にも記入を済ませたなぎさ。


(ギルド職員:女)

では、これで登録しますね。

これから頑張ってください。


(神流なぎさ)

はい、ありがとうございます。



苗字を付けるとややこしくなったら嫌だし、文字は1種類しか無かったので、ナギサと登録した。

周りの表記を見ても、あまり苗字を持っている冒険者は居なかったので。


(ナギサ)

さてと……なんかクエスト受けるか……



クエスト掲示板を見に行く。


(ナギサ)

うーん……薬草採取?

これで行くか。



薬草採取のクエストの用紙を持って行こうとすると。


(冒険者:男)

姉ちゃん、それ、常時クエストだ。

特に受付に行く必要は無ぇ〜。


(ナギサ)

そうなんだ。


(冒険者:男)

あぁ、買取り窓口に直接持って行けば良い。


(ナギサ)

そうなんだ、ありがとう。



なかなか紳士的なギルドだ。

おい新人……のイベントは無かった。


(ナギサ)

絡まれるイベントは無かったな、なかなか治安というか、冒険者レベルが高いのかな?



ナギサは薬草採取を終えた。

"サーチ"があるから簡単だ。

あまり早いのもどうかとある程度余分に採取したので食事にした。


(ナギサ)

さてと、何食べようかな……


 

"通販"のリストを眺める。


(ナギサ)

これにするか。



ナギサはフェラチマートでペペロンチーノと和風パスタ、野菜サラダとルイボスティーをポチッた。

しかも温め済みで。


(ナギサ)

のどかだなぁ……こんな場所での食事は美味しいなぁ。

でも食事処は要注意やね。

この世界の調味料や香辛料の状態が分からん。

下手に目立つと碌な事ないしな。

無難なクエストで日銭稼ぎながら、様子見て雑貨屋でもやるか。

100均のでボッタくるか。



ナギサ、お前いつになったらこの世界の事、調べるんだ?

ピクニック気分の薬草採取を終え、ギルドに戻るナギサ。

買取り窓口へ行く。


(ナギサ)

あのう、薬草採取してきました、買取りお願いします。


(ギルド職員:男装)

おお、分かった、出してくれ。


(ナギサ)

はい。



ナギサはクエスト分だけの薬草を出した。


(ギルド職員:男装)

こ、これは……ひょっとして……


(ナギサ)

ダメですか?初めてだったんで……


(ギルド職員:男装)

いや、逆だ、どうやって……いや、そうか……そういう事だな。

時々で良いから、この品質のをお願い出来るか?

大量でなくて良い、値崩れ起こすからな。


(ナギサ)

分かりました。



流石はギルド職員、冒険者の事情には踏み込まない。

変に出ていかれたり、パーティーに強引に加入さされ死亡したら大損害だ。


(ギルド職員:男装)

ただ、この事はギルマスには報告する。

流石に報告無しとはいかないからな。


(ナギサ)

あはは、お手柔らかに。



ナギサの事は極秘裏にギルマスに報告された。

あんな品質で運んでこれるのは"ストレージ"持ちの可能性が高い。

そんな希少な人材を無駄にするわけにはいかないからな。

品質の観点から買取り価格は高かったので、ある程度のお金ができた。


(ナギサ)

とりあえず食事しよう。

この世界の食レベルは見とかないと。



そこは考えてたんだ、商売が絡む事はしっかりしてんな。

ともあれ大衆食堂に入ったセツナ。


(ナギサ)

うーん、薄味の塩味か。

でも出汁は効いてるな、薄味好きとしては問題ない。

香辛料はやはり高価なんかな?周りを見ても使ってないな。

タレはしっかりしてるから、この世界の料理人の腕は良いみたいやね。



街中もぶらついてみる。


(ナギサ)

うーん、甘味は高い。

砂糖は嗜好品なんかな?

食べ物を売るのは要注意だな、やめとこう。



ナギサは宿に泊まってみた。


(ナギサ)

なるほど、水かお湯で身体を拭くと、で、別途有料か。

お風呂のある宿もあるがグレードが上で無いのが一般的ね。

水魔法と火魔法があれば、給金にプラスされるんだ……

魔力を考えなくて良いんだから、風呂のバイトしようかな?

ちょっと相談してみるか。



とりあえず宿主に聞いてみた。


(宿主:女)

えっ?水魔法と火魔法が使えるんかい!


(ナギサ)

はい、お風呂ぐらいなら簡単ですよ。


(宿主:女)

ならウチと契約してくれないかい、お風呂があるならもっと稼げるから。


(ナギサ)

良いですよ、もうお風呂あります?


(宿主:女)

すぐ建てるよ。


(ナギサ)

冒険者だから、居なくなるかもだけど、大丈夫です?


(宿主:女)

うーん、そうか……いや、居る時だけで良い。

魔道士を雇えば良いし、最悪無理なら取り壊す、それまでに儲ければ良い。


(ナギサ)

うーん、なら、ボクが魔法で建てます。

初期投資が回収できなかった場合が怖いでしょ?


(宿主:女)

良いのかい?

ならお願いするよ、報酬はウチでなら宿泊と食事がタダ、それと月銀貨5枚でどうだい?


(ナギサ)

うーん、毎日居るとは限らないよ?クエストがあるから。


(宿主:女)

あぁ、そうか……じゃあ、1日銅貨20枚、1人10枚の入浴料を取るつもりだから、毎日平均2人入れば元が取れる。

風呂付きとなると、宿代を少し値上げできるしね。


(ナギサ)

なら、それで。


(宿主:女)

宿代と食事はタダだから、できるだけウチに居てよ。


(ナギサ)

分かりました、そうします。



ナギサは女宿主に連れられて裏へ行く。


(宿主:女)

ここにお願いできるかね。


(ナギサ)

はい、大きさは?


(宿主:女)

そうさねぇ……これぐらいできれば良いけど、無理は言わないよ。


(ナギサ)

全然大丈夫ですよ。



そう言うと、ナギサは"錬成"で建物付きのお風呂を作った。

5人ぐらいは余裕で入れる大きさだ。


(宿主:女)

ほ、本当に……しかもこんな大きさで……


(ナギサ)

もっと大きい方が良い?


(宿主:女)

い、いや、充分さね。


(ナギサ)

なら良かった。

これ、秘密にしといてね。


(宿主:女)

もちろんさね!

そうだ、私はアンヌ、この宿はバリネコ亭さね。

これからもよろしくお願いさね。


(ナギサ)

はい、よろしくお願いします。



これで常宿と食事は確保したナギサだった。

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