サブリミナル・グローリー ―この世界は、美しさに殺される―

女性の過剰な保護・「消費されない権利」が社会の正義として極端に進行した結果、あらゆるコンテンツ・労働・メディアから女性が実質的に排除され、男性は表現の担い手・労働力・性的対象としてフル活用されるようになった日本。
全国に分校を持ち、芸能界の登竜門として若者たちを集める「私立アステリズム芸能学校」では、生徒たちが“番組”の一部として常にカメラに晒されながら、売れることを目指して生きていた。しかしある日、ひとつの“炎上”がすべてを変える。生徒・真神司がSNSに投稿した告発が、芸能業界の歪みとジェンダー観を揺るがす大波紋を呼ぶ。教師たちは混乱し、仲間たちは分断され、社会そのものがざわめき始める。「見る／見られる」という暴力の物語。