第5話 労働組合に巻き込まれる

私は卒業したあと、そうした話には一切関わりたくないと思うようになっていた。

労働組合には入ったけど、一回でも会議に行けば目をつけられるのが怖くて知らんぷりしてた。

しかし、同期は看護学生連合会とかでに学生時代から参加してる強者達だったので

強固な誘いがあり、渋々、巻き込まれてしまった。


夏のボーナス、冬のボーナス時期はどこからか大量のカンパ袋が詰所の休憩室にあった。署名も山盛りだった。

物資と言う名のわけのわからん、なんでこんなもんこんなに高いんだろ?って物もダンボールで山盛りだった。

とりあえず、全部にお金入れてたらキリが無い。

原水協の袋にはカンパしていた。

それくらいしか関係も持ちたくない自分がいた。

平和行進は仕事との兼ね合いが合えば参加した。これも、同期がうるさいから渋々。


その頃には労働組合の活動の方が重要になっていた。妊娠の後期の夜勤制限して欲しい、育休、育児時間への労使協定に調印して欲しい。

院内保育所を作って欲しいなど、先輩達が妊娠や出産で離職していくのを見て

何とかしないとと言う気持ちが強かった。経験のある世代が抜けて行くと看護の質は愕然と落ちてしまうのが嫌だった。

勿論、人手不足はいつも訴えていた。私はナースシューズの支給を年一足では自分で買い換えしなければもたないから二足にして欲しいとくだらない要求を言った。

これは即座に認められた。

国会への看護師不足を何とかしてくれと陳情に行った。

市交渉へも行った。


そんなこんなで私の中でヒロシマ、ナガサキは遠くなっていった。


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