第4話 広島に誰が行く?

六月くらいから原水禁の大会への代表を決め始める。

一年からふたり。二年からもふたり。

これは、一年は一年で話し合いで代表を決める。


実はこれ、揉めるのだ。

夏休みは一カ月のみ。

皆んな、夏休みくらい息苦しい集団生活から抜けて地元の友達と遊びたいし

課題も多いし、卒業後に働く病院や診療所での1週間の実習もある。

そのわずかな休息に代表になれば1週間は取られてしまう。


行きたくないのである。


参加して辛い話ばかり聞くのもしんどいし、参加すれば報告文集を作らなければならない。それをカンパしてくれた病棟に配るわけである。

はっきりいって、会議にならない。誰も発言しないからだ。

私もこれだけは行きたくないと思っていた。

それで無くても、クラス長もやり、修学旅行委員長、卒業文集委員長もやっていたからである。

寮生活の揉め事は色々あるし、四役だけで毎晩のように朝の四時くらいまで話し合いしてたこともあったし。

精神的にもヘビーだったので、とにかく大阪を離れたい、地元のアホたれの友達とアホやりたいと思っていた。

祖母のところへ行きたかったし。ゆっくり眠りたかった。


揉めに揉めてお互いに相手の揚げ足取りにまで発展する始末にどうしたものか。

私が行けば丸く治るんかな、、。

と日和始める。

結局は揉め事が熾烈になるのが苦手な子が行ってもいいと言ってくれる子がいて私はほっとした。

世の中にはこうなると自己犠牲を発揮する人がいるものなのだ。


私は思った、だから取り組みやめよって言うたやんか。









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