第14話 休息 ①
オーク討伐で、報酬をだいぶもらえたので、
3日ぐらい休暇をとろうという事になった。
マリーは、さっそくリリンに会いに行って女子会をするそうだ。
服を作ってもらえるんだと、嬉しそうに言っていたから、
デザインの相談もしているのかもしれない。
俺はというと、ひとりルードラ王国の観光をする予定だ。
いつも使う食堂や宿屋、ギルド等は知っているが、他はまったくしらない。
とくに娯楽だ。
色々と巡って、面白いお店や気に入ったお店を見つけようと思っている。
地図は無いが、スサーナに聞けば何とかなるだろう。
「おい、どこで何がしたいんだ?」
「昼から、お酒でも飲みながら美味しい食べ物でも食べて」
「そのあと綺麗な景色でも見て」
「夜は、美人なお姉さんがいる所で、お酒でも飲んで心を癒されたい」
「お前・・・マリーでは心が癒されないのか・・・」
「もしや心が疲れるのか?あんな素直で可愛い娘は、なかなかおらんぞ」
「いやいや、妹のような感じで癒されてるよ」
「例えるなら、毎日、魚ばかりだと飽きるから、肉も食べたいっていう感じ」
「まぁ、分からんでもない、癒しというより、刺激が欲しいのだろ?」
「そう、それ!」
「まぁルードラ王国は、わしが管理、守っているようなものだから、
なんでも知っている」
「しょうがない、息抜きも必要だ、案内してやる」
「ありがとうございます!」
俺はスサーナの案内で、まずはある食堂へ行く事となった。
「子豚とオオカミの仲良し亭」
このお店は、王国の中央にある城近くに存在する、大衆食堂である。
何より店が広い、2階建てになっており、軽く200人ほど入れる。
「ここは、昔から名前が変わっておらず、代々親族が引き継いで経営している」
「肉の山賊焼きが名物、俺の好物だった」
「引き継いでいるっていう事は、何代目なんだ」
「たしか、今はジョージという 25代目だったな」
ちょうど開店前に到着できた。
開店は午後3時、人気店のようで、もうすでに30人ほどならんでいる。
一般男性と子供、お姉さん5人組、冒険者風の容貌の人、老人3人組などなど
老若男女問わず並んでいる。
店が広いなら、この人数でもすぐ入れるだろう。
10分ほど経った所で、店員さんが店から出てきた。
「今から開店します。順番に案内しますので、あわてずに進んでください」
大きく、元気な張りのある声で、その声を聞いただけでも、
料理の期待が増してしまう。
その後順調に案内され、カウンターに案内されて
メニューを渡される。
俺はメニューをめくりながら、名前を探してみる
「えぇと、山賊焼き・・・あった、あとビール」
「すみません、こちらとこちら下さい」
「はい、お待ちください・・・」
「山賊焼きとビールですね、すぐお持ちしますね」
料理とビールは10分ほどで到着した。
こおばしい香りが漂い、食欲があふれてくる。
薄茶色の色、ドカンと大きい両手を並べたぐらいある肉の塊、
申し訳なさそうにちょこんとある赤、黄、緑色の野菜。
唾液が止まらない。
「いただきます」
早速食べ始めた。
「モグモグ」
「うめぇーー、パンチが効いてるが、味に深みがある」
「ゴクゴク」
ビールを2飲みすると、抜群に相性が良いのが分かる。
「これは・・・最高」
「あとでマリーも連れてこなきゃな、喜ぶぞ」
「だろう、俺が生きていた時に、クエストを達成した時には
必ずこの山賊焼きを食べていたからな」
「そうだ、スサーナ俺の身体は借りないの?」
「今、借りるべき時ではないような気がしてな・・・」
「あとで、しっかりと身体を借りる」
「あぁ分かった」
俺はビール1杯では足らず、ビール3杯注文し、食事を楽しんだ。
ほろ酔い気分で、お店を後にし次の観光をしにいく。
今度は王都を出て、30分の所にある少し小高い山を登った所にある遺跡らしい。
「遺跡って魔獣が出る場所だよね」
「あぁ、昔、あふれ出した為、発生源を討伐し封印した」
「今は問題無い」
「いるとして」
「遺跡といっても今は、中に入れないし、周りにいるとしても弱い魔物だから
一人でも心配なかろう」
遺跡のある山は、それほど高くはなく、ハイキングの感じで
到着する事が出来た。
観光スポットにもなっているので、30人ほど一般人がいるのが分かる。
俺のように、防具や武器を持っていない。
大人、子供、年配の人までいる。
遺跡の特徴としては、頂上にあり、周りに木や草は生えていない。
神殿のようは太い柱が10本外側に、規則正しく並んでおり
中は、黒光する正方形の床がひいてある。
広さ的には、100坪、25mのプールほどである。
中央に5メートルほどの円で、大きなマンホールのようなフタがあり、
魔方陣のような規則正しい文様が描かれている。
「ここは、昔、魔獣があふれ出した遺跡で、俺とトートとアリサで
封印した場所になる」
「魔獣が発生する核があって破壊したが、毎日再生するので
再生した時に、毎日破壊する魔法を付与した魔方陣が描かれている」
「そうする事で、魔獣の発生は防がれている」
「なるほど、あのフタのような物に描かれている魔方陣がそうだ」
「あぁ」
「それで、その破壊魔法が発動するのが、これからすぐ後になる」
「面白いものが見られる、離れて見ておくとよい」
辺りは、丁度夕方となっており、夕焼け色から、薄い藍色にそまってくる。
これから夜の入りとなるのだ。
そうこう待っていると、魔方陣が、うす黄色の発光を放つのが見うけられた。
徐々に明るさをましていく。
直視できる光で、まぶしさは無かった。
その後、ドーンと上空へ向かい光の柱が上がり、
赤、青、黄色の花火のように花開いた。
まさに地球で見た花火と同じである。
「わーー」
「綺麗」
と歓声が上がる。
俺も思わず、「おぉ」と歓声を上げた。
1発終わった後、同じようにまた魔方陣が光始めた。
「何回、発動する」
「3回だな」
「遺跡の中で、破壊の魔法が行われ、エネルギー放出しているのが今見ている
物になる」
そう説明を受けている途中、
また、ドーンと上空へ向かい光の柱が上がり、
赤、青、黄色の花火のように花開いた。
またまた、歓声が上がり、気持ちもたかぶる。
「この綺麗な色に変化したエネルギーの輝きが、
ルードラ王国、今一番の観光スポットになっている」
「良い物を見れたよ、ありがとう」
最後の3発目が終わり、観光客が一斉に山から下りて来る。
俺の足取りは、他の誰よりも軽い、つぎつぎと俺は追い抜いていく。
これから、綺麗なお姉さんが待っている大人の飲み処に行くのだ。
心を満たされに行くのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます