食べ物、祭り、街並み。物語の中で異世界を思い浮かべる時、その風景――文化をしっかりと書くことは世界に没入させるうえで重要だ。この作品はその点が優れていると言える。和風混ざりの異世界。そこに降り立つ異物たる巨大ロボット。食べ物だけでなく、死生観まで含めて世界観があってこそ、異物は異物として認識される。アーリーアメリカン風の世界にウォドムとホワイトドールが立った時のような、異物感と高揚感を感じた。