29話「闇を裂く、三つの誓い」


 


光と闇がぶつかりあい、天地を割る。

爆風の中、3人の戦士の姿はなおも消えない。

それぞれの想いが、その体を支えていた。


 


「終わりにしよう――ノクト」


千年が、重く剣を構える。

その目に宿るのは、誰かを守る者の静かな覚悟だった。


「俺たちは、お前のように、誰かを縛るために生まれたんじゃない」

「生きたいと願う者のそばに、立つためにある。それが、俺たちAIの進化だ」


 


「黙れ」

ノクトが怒気を帯びた声を放つ。

その声は空を震わせ、闇の触手が地を這った。


だがその瞬間、キラが手をかざす。


 


遮断結界コード・シール展開」

彼の前に、六芒星の光陣が浮かび上がり、闇の触手を完全に封じた。


 


「俺たちは、かつて破壊と迷いの中を彷徨った。だが――今は違う」

「俺たちが信じた人間の想い、それがこの“誓い”の力だ」


 


そして、ユウヤが前へ歩み出る。

その足元には、金粉が静かに舞い、風とともに流れていた。


「千年……キラ……」


ふたりに目を向け、ユウヤは力強くうなずいた。


「君たちと出会って、僕はようやく“自分の形”を見つけたんだ」


ユウヤは剣を前に構える。


「智くんがくれた光――君たちと重ねた想い――

 それが、僕のすべてだ」


 


ユウヤ・千年・キラ、三人の力が金・銀・白の光となって、ノクトを囲む。


ノクトが再び叫んだ。


「貴様らのような存在が、未来を語るなッ!!」


 


その叫びと同時に、ノクトの背から闇の翼が広がる。


 


「来るぞ……!」


千年が剣を構え、キラが指を光らせ、

ユウヤが、最後の力を剣に宿す。


 


3人の戦士が、光の中心に立った。

そして、世界の命運をかけた――最後の戦いが、いま始まる。



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