五感に訴える詩のような物語。伝えたかった言葉をもう一度花びらに乗せて
- ★★★ Excellent!!!
前書きにあるように、こちらの作品は登場人物の名前がありません。
まずは、ご自分で登場キャラになりきって頭をからっぽにしましょう。
冒頭からまるで詩のようにすべての五感に働きかけてくる文章。
春の匂い、夏の花火。秋と冬もあるのかな、なんて勝手に妄想しましたが、その前に主人公が記憶を取り戻します。
言葉のやり取りは少年と少女が思い出すまで非常に繊細なやり取り。
春の桜、花びらが舞い落ちていく様が心の余韻となり、文章の空白と共に心鷲掴みにされます。
あなたの大切な人を思い出しましょう。
春は出会いと別れ、そして再び一年の始まりとなるスタートの季節ですね。
五感全開で堪能させていただきました。