これが『青山翠雲』です
- ★★★ Excellent!!!
人は何故、創作をするのでしょうか。
その答えは人によって異なるのではあるのでしょうけれど、身の内から湧き出る意欲に突き動かされて、という人は多いのではないでしょうか。
しかし、創作欲によって書き始めたは良いものの、他者からの評価が気になってしまって右往左往した経験のある方も、また、多い事でしょう。
本作もそんな創作者の心をテーマとしている作品……のはずなのですが、やはりそこは『青山翠雲』氏。
明後日の方向からのアプローチといい、妙に格調高い前振りからの本編の内容といい、「この人にしか書けない」世界観を構築しています。
本作はシリーズ5作目。
シリーズを通して読んでみると、作者が書きたいものを描き切ったのだろう想像され、その点からも感動を覚えるはず。
癖はありますが、他では得られない読書体験となることでしょう。
平成時代を少年として過ごした諸氏には刺さるであろう、ギャグ小説シリーズです。
時事ネタあり、パロディありの小説群。一読の価値ありです。