AIと核に抗う、愛と言葉の黙示録

ここは物語の墓場、『覚世夢王国』。

ハートと星、PV数がすべてを決める世界。
中身のない愛想笑いが賞賛され、誰もが物語を『数字』でしか見なくなった。

そんな荒れ果てた文芸世界に、一人の男が記憶を失って舞い降りる。
名は、青志朗。かつて『青き志』を胸に、言葉を紡いでいた文筆の使い手。

核戦争で荒廃したこの星で、彼が見たのは──
AIが導く滅び、
人間の手で制御できなくなった物語、
そして、「お伽話」として処理され続ける現実の暴力。

だが、彼の心にはまだ『熱』があった。
誰かの心を打つために物語を書きたい。
ただ、それだけの願いが、次第に『拳』となって宿っていく。

今、男は思い出す。
書くことの意味を。
書き続ける痛みを。
そして、書きたいと願ったあの日の『自分』を。

ギャグと風刺、エロスとSF、文芸論と覚醒の物語が交錯する
一大スペクタクルが、いま幕を上げる。

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