私のバスケ日記

@na-noya

第1話 青春_。


神城 奈々。山皿中学校 3年生。

女子バスケ部。部長。背番号4番。

今日は学校総合体育大会。そう。学総と呼ばれるこの戦いは、始まりであり終わりである。

ここで勝てば県大会予選まで行くことができ、

負ければ部活は3年間の部活は終止符を打つ。

この戦いのために3年間奮闘してきた。部活を休んだ日は風邪をひいた2日間しか休んだことがない。同学年では1番部活に出ていたと思う。

そんな私の部活動での物語を紹介しよう。


審判「試合を始めまーす。気をつけ、礼。」

チーム全員「お願いしまぁす!」

元気な声と共に、壮絶な戦いが始まった。

相手は一度練習試合を組んだことがある。

花華中学校だ。

向こうは1人エースがいて、彼女を止めれば確実にこの試合は勝てる。そう、チーム全員が思っていた。だが、それは向こうも同じだった。


山皿のチームのエース、そう奈々を止めれば確実にこの試合は勝てる。


なぜなら練習試合で奈々しかチームのエースを止めることができていなかったからだ。案の定試合は難航した。

奈々の武器は、鋭いドライブからの確実なレイアップ。さらにはチームで唯一正確に打てる、アウトサイドシュートが得意。3ポイントは練習はしたが、完成度が低くとても試合では使い物にならない。2点ずつ入れ、確実に攻める。そう思っていた。しかし、相手エースに徹底的にマークされドライブをすることすら許されない。

もし相手を抜くことができ、レイアップシュートをしようとしてもチーム全体で奈々のシュートコースを防ぎに来る。そのまま突っ込んでは、最悪オフェンスファウルを取りかねない。


「なんでこんなにも自分は何もできなくて惨めなの。この日のために毎日バスケに向き合ってきたのに、何もできないまま終わってしまうの?」

奈々はそう感じた。周りを見渡してみた。ベンチには今まで頑張ってきた仲間。ダメ出ししかしない監督。2階ギャラリーを見てみると、ベンチ入りできなかった2年生と1年生。自分たちの親。

「こんなに、自分たちの戦いを見てくれる人がいるんだ。」


そのとき、バスケ部での日々を思い出した。



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