第45話 諸行無常
その後、念入りに勇者に魔法を撃ち込み、死亡を確認した後、所持ポイントを確認すると、何と10万を超えていた。
青髪の女と聖女と勇者。3人合わせて、8万はあったのだろう。
概算すると、青髪の女と聖女で3万、勇者が5万。
とんでもないポイントである。
改めて考えるとよく倒したなあと思う。やはり偽セーフティエリアが効いたのだろうな。
彼女達はこれまでで過去最強の敵だった。
しかしあれだな。
勇者以外にも、数多くの死を見てきて、思った。
どんなに強くても、死ぬ時は一瞬。
あっけないのだ。
そしてそんなことを悟ったとしても、日常は続いていく。
お腹が空いたおれは、ダンジョンの補充を済ませた後、食事をすることにした。
聖女。勇者。超特大の大物を仕留めたのだ。お祝いをしよう。
ピザを頼むか、それとも調味料などを揃えて、今度こそ美味しいうどんでも食べるか。……牛丼とか食べたいな。肉を買って焼いて、焼肉のタレで食べるか。
そうだな。それが良い。
肉はいくらかな?
牛肉は……200gで1000ポイント! お高い!
ていうか、調理済みの牛丼単品で売ってないのか?
見てみるとあった。3000ポイントで。
牛丼の癖に高いな。ワンコインで食べさせてくれよ。
どうするか。やっぱ自分で作るか? 米の量的にはそちらの方がお得だが……
えい、と米を買った(1kgで1000ポイント)。
まずは鍋に入れて、水を入れて、米を研ぐ。久しぶり、この感覚。
水を入れ替え繰り返し、ある程度透明になったので完了。
目分量で適当に水を入れて、蓋をして、火にかける。蓋は鍋を買ったときに付いていたのだが、ほとんど使わなかったので、一瞬ないかと焦った。無事に見つかったので良かったが。
しかしおれは鍋で米を炊いたことがない。飯盒炊飯なら修学旅行か何かでやった覚えがあるが、あれは飯ごうを使っていたしな。
とりあえず蓋をして、火にかけていく。赤子泣いても蓋とるな、だったか。
思い出した。初めチョロチョロ、中パッパ、だ。つまり初めは弱火。火から遠目にしてみる。
で? ここからどのくらい弱火なんだ?
考えていると、鍋がコトコト言い始めた。どのくらいなんだ? どうすればいいんだ!?
いや、落ち着け。とりあえず水が良い感じになくなるまで火にかければ良いんだ。そうに違いない。
とりあえず中の水がなくなっていそうな感じがした時に、蓋を開けてみた。
まだ水があるな。継続。しかし開けてしまった。大丈夫だろうか。
それからしばらく放置していたら、パチパチ言い始めたので、慌てて火を消す。
蓋を開けて中を見ると、意外と良い感じだ。ふう。
やっと肉を焼ける。まずは玉ねぎ(1玉200ポイント)をくし切りに、牛肉を良い感じに切る。そしたら、まずは切り取った肉の脂身部分を入れていく。フライパンに引く油がないからな。そしてフライパンもないが、そこは鍋で代用。
脂が良い感じに溶けたら、肉を焼いていく。
うん。美味しそうだ。ジュウジュウ音がして、美味しそうに焼けていく。
ある程度焼けたら玉ねぎを投入。そして火が通ってきたら、焼肉のタレを回しかける。うん。良い匂い。
皿にご飯を盛り、その上に肉と玉ねぎを乗せる。そして焼肉のタレを少しかけたら完成!
牛丼だ!
早速、食べてみる。
うん! 口に入れた瞬間タレの旨味が口いっぱいに広がってくる。そして玉ねぎと肉! めちゃくちゃ久しぶりだ! 美味い!
ご飯も相性抜群で、少し硬かったが最高だった。美味い!
意外と鍋で炊けるもんなんだな。
とにかく美味かった!
現在のポイント:10万5608
米は1kg買ったからな。これからしばらくは米が食べれるぞ! ふふ……
ダンジョンマスターは盗撮魔⁉︎ 〜ダンジョンなのにカメラやマイクを付ける必要があるんだが〜 日山 夕也 @hiyama5
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます