第40話 先へ
鑑定カメラの設置場所はよく考えなければならない。3000ポイントだからな。壊されたら大変だ。一番良いのは12階層の偽セーフティーエリアの天井に仕込むことだが、そうなると11階層は鑑定の内容を活用できず、勿体ない気もする。
いやしかし、ここまでも鑑定の情報無しでやってきたんだ。なら、11階層もそれで良いか。
ということで12階層の偽セーフティーエリアに鑑定カメラを設置することにした。
ちなみにこの間、勇者達はスライム退治に勤しんでいる。
ほんと、今のところスライムが一番すごいかもな。いっそのこと15階層もスライムだらけにしてやろうか、なんて思うぐらいだ。
まあ結局いつかは攻略されてしまうのでやらないがな。
それはそうと、勇者達がスライムを倒し終わったようだ。今、ボス部屋から続く階段を降り始めた。
そういえば15分経てば、ボス部屋の魔物を復活させることができるんだよな。なら、最後の魔物を一番入口側に隠しておいて、階段にたどり着くまでに15分……というのは無理か。
さすがに向こうもわかっているだろうし、走れば余裕で間に合いそうだ。
そうこう考えている内に、勇者達が11階層に降りてきた。
11階層の地形は、3階層のような、中央に一本道があるタイプだった。3階層と同じく、その先に下への階段がある。守りにくいことこの上ない。
しかしおれにはコウモリネットワークがある。さらにここまでの行動で勇者達の思考も読めてきた。一本道に罠や魔物を集中させれば、彼女達は迂回して進むだろう。ボス戦の後なら尚更だ。
ゆえにまずは一本道に魔物や罠を固める。そして彼女達が迂回したなら、魔物もそれに応じて動かす。
勇者の探知魔法は常時発動型ではないように思える。恐らくその都度発動するタイプだ。だから通用するはずである。
勇者達が降りてくると、まず一本道が目に入る。
奥に階段があるかどうかは、魔物に遮られて見えないだろう。
探知魔法を発動した勇者は言った。
「この道。すごいいっぱいいるよ」
青髪の女が言った。
「では迂回しましょうか?」
それに聖女が答える。
「そうですね。リーナさん。どっちに行ったほうが良いとか、分かりますか?」
「うーん……分かんないです。でも、この道以外に魔物はいないようです」
「では右に行きましょうか」
「どうしてです?」
「適当です」
勘ということだろうな。まあどちらでも関係ない。コウモリネットワークでそちら側に魔物を少し動かす。それだけだ。
それから1時間ほどで、彼女達は11階層を突破した。全て思惑通りに進んだが、それでも突破された。きついな。
しかし10階層のゴーレム戦。勇者の底は見えたように思える。もしあの時、もう一体のゴーレムがいたら。ゴブリン魔道士の援護でもあったら。いけていたような気がするのだ。
そしてそれは12階層、偽セーフティエリアの鑑定カメラで、明らかになるだろう。
現在のポイント:2万3011
12階層の偽セーフティエリア。休ませるつもりはない。おれは最大限不意打ちの用意を整えた。
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