第36話 スライムだらけ

 思い立ったが吉日。早速5階層のボス部屋に仕掛けてみた。


 5階層の制限ポイントは1500ポイント。つまりボス部屋は3000ポイントである。


 スライム300体分だな。


 さすがに全てスライムというのもアレなので、ゴブリン魔導士を一体入れ、さらに見通しが悪くなるように壁をいくつも作り、天井にもスライムを仕込んでみる。


 残りは大体220体ぐらいのスライムだ。


 さてどうなる?


 


 勇者達がボス部屋に入ってくると、うじゃうじゃといるスライムが目に入る。


「うわ。何これ」

「スライム……ですね」


「私が魔法を使いましょう」

 青髪の女がそう言うと、水魔法を使った。大量の水が放出され、スライムが一気に奥へ流される。


 何それ、ずるい。


 しかし核は破壊できていないようだ。どうやらスライムを流して、スペースを作っただけらしい。


 そこから水球を連続で撃ち込み、スライムを倒していく青髪の女。


 特に核を狙っているというわけではなく、とにかく乱射しているように見える。見かけによらず大雑把ということだろうか。


 そうやってスライムを倒していると、その時、上からスライムが降ってきて、それを勇者が撃退した。こちらはしっかり核を斬っている。


 というか、これじゃ探知魔法の検証にならないな。ボス部屋に設置というのは間違っていたかもしれん。


 …まあ魔力を使わせたのでよしとするか。


 おれはとりあえず6階層にもスライムを並べた。





「結構めんどくさかったね」

「ですね」


 スライム220体を倒し終わり、少し疲れた様子で彼女達は6階層に降りてきた。どうやら220体は思った以上に面倒くさかったらしい。思わぬ効果だ。


 そして6階層についてだが、彼女達はまず偽セーフティエリアに向かうようだった。


「うへぇ。この階層も魔物だらけだよ」

 勇者が言った。この発言からして、やはり魔物と罠は区別できそうだ。しかし魔物は一緒くたなのか?


 そこで、6階層にも大量配置したスライムに紛れさせて、バケツ部隊に水をかけさせてみた。


 すると何と、勇者の反応が遅れていた!


 恐らくスライムだと思ったのだろう。


 水をかけることは叶わなかったが、良い成果である。




「確かに教会のシンボルがありますね」

 偽セーフティエリア内に入り、聖女が言った。


 青髪の女も続けて言った。

「情報通り、ゴブリンも入ってこれないようです」


「罠や魔物もいなさそうですね」

 外には沢山いますけど、と勇者が言う。


「やはりここは聖域ということでしょうか」


 それから彼女らは部屋の中を調べ始めた。


 そしてシャワー室を見つけた。


「聖女様! 見て下さい! シャワーがありますよ‼︎」

 勇者が子供のように興奮して言った。


 それを微笑ましく見守りながら、聖女が言った。

「本当ですね」


「聖女様、先にどうぞ! 私が見張ってますから!」


「いえ…それは……」


「聖女様。特に罠などもないようです。私も見張っておきますので」

 聖女の付き人もシャワー室をチェックして言った。


 勇者達のその提案に、聖女は少し逡巡したようだったが、折角の提案を断ると悪いと思ったのか、言った。


「じゃあ、お言葉に甘えましょう」


 やったぜ! 聖女様のシャワータイムだ!



 現在のポイント:3万6504

 聖女がシャワーに行った後の勇者達。


「勇者様もどうぞ休んで下さい。ここは私が警戒しておきますので」


「そんなの悪いよ」

「いえ。それが私の仕事ですので」


「うーん。…じゃあちょっとだけ脱ごっかな。窮屈だったし」

 そう言うと勇者は胸当てを外した。


 するとその瞬間、ぷるんと、インナーに包まれた胸が解放された。


 上からのカメラでは、その谷間がよく見えた。


 勇者のそれは意外と結構あった。胸当てに覆われていて気づかなかったが、中々眼福であっ

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