第17話 古い遺跡を探して
「すべては一粒の種から始まった…」
―虚無の彼方から来た者
灼熱の太陽が雪のように白い大陸一帯を照らし、地面の氷の結晶が陽光を反射し、ひときわ美しく輝いていた。
大陸の空気は冷気に満ち、タガとシルは雪に覆われた長い道を歩きながら、深い冷気に突き刺された。
タガとシルは息を切らしながら道を歩いた。タガの薄着とは裏腹に、二人の服は信じられないほど厚かった。
「まさか…どうしてそんな薄着で旅に出られるの…」シルは言葉を失い、強く抱きしめられた。氷の大陸で長年暮らしてきたエルフが、スケルトンのように寒さに耐えられないとは、信じられなかった。
「もしかしたら…スケルトンだからかな。血肉がないから、寒さに弱いのかも。でも、服のせいかもしれないわね」タガはシルを見て肩をすくめ、諦めたような表情を浮かべた。
「どうして!こんなの不公平よ!」シルは空を見上げながら叫んだ。タガはどうしようもなく微笑み、辺りを見回し、時折本をめくりながら、近くに似たような光景がないか探した。
長い時間が過ぎた…
二人は歩き続け、疲れたら休憩し、また歩き続けた。
歩いていると、いつの間にか大陸の奥深くに辿り着いていた。
道中、タガはシルにこの大陸での生活について尋ねた。
「奥深くまで行ったことがないのか?」タガは道を塞ぐ草をかき分けながら、シルに少し疑念を込めて尋ねた。
「一度もないわ。だって私は臆病なエルフだから。薬草を探すのは郊外だけよ。この大陸の先住民のことは聞いたことがあるけど、滅多に見かけないの」シルはタガに付き従いながら続けた。
最後の草むらをかき分けると、祭壇のような場所に着いた。
「タガ、ここはどこ?」シルは困惑した様子でタガを見やり、身を乗り出してタガが見つめている祭壇を見つめた。
「わからないわ。祭壇に着いたみたいね?」タガは前に進み出て祭壇の装飾を調べ始めた。
祭壇は奇妙な生き物の頭や、石柱に刻まれた奇妙なルーン文字など、あらゆる奇妙な装飾で覆われていた。
これらの柱は奇妙な金属でできた鎖で繋がれており、祭壇の中央の地面には奇妙な模様が刻まれていた。
タガは鎖を踏み越えて祭壇の中央へと歩み寄り、シルも熱心に後を追った。
タガは祭壇の中央へと歩み寄り、ゆっくりとしゃがみ込んだ。まるで祭壇から発せられるエネルギーを感知するかのように、地面の模様を優しく撫でた。
「何か感じるかい?」シルは首を傾げてタガを見た。
「この祭壇の奥深くに、深遠なエネルギーを感じる。今まで感じたことのない力だ。」タガはそのエネルギーを、まるで共鳴するかのように感じた。
突然、氷の結晶に覆われたエルフの大群が祭壇から現れ、中央にうずくまるタガとシルに剣を向けた。
タガとシルは、自分たちには理解できない言葉を話すエルフたちの奔流に驚いた。
タガは即座に立ち上がり、戦闘態勢を取り、そこにいるエルフたち全員を見渡した。
「原住民のように見えるけど、言葉はよく分からないわ。」シルはタガの後ろに隠れ、やや敵意に満ちた原住民エルフたちを観察した。
「様子を見る限り、戦う気満々みたいね…シル、私の後ろに隠れて…私が守るわ。後で隠れる場所を見つけてね!」タガはゆっくりと両手を上げ、拳を強く握りしめた。すると、その周囲から力がゆっくりと放出された。
「心配するな!以前もお前を倒したことがある!他のエルフからならまだ身を守れるわ!」シルはまだこの場違いな冗談を言い続けていて、タガは言葉を失い、汗だくになっていた。
エルフたちはタガの二人組を見たが、二人は無視した。リーダーの額に血管が浮き出し、長剣をエルフたちに向け、他のエルフたちにタガを攻撃するよう指示しているようだった。
リーダーの指示に従い、他のエルフたちは皆、タガとその仲間たちに向かって突撃した。
「シル!姿を消すんだ!自分の身を守るんだ!」タガはそう宣言し、足を強く踏み鳴らした。祭壇の床が割れるほどだった。彼はエルフたちと戦うために飛び出した。
「問題ない!」シルは叫び、素早く茂みに隠れた。
エルフたちはタガの突撃を見て、長剣を振りかざした。
タガは剣の冷気の閃光をかわし、ただ身をかがめた。目の前にいたエルフは剣を振り上げ、反撃を試みたが、タガの動きが速すぎた。
タガは長剣の攻撃をかわし、目の前に立つエルフの腹部に強烈な一撃を叩き込んだ。エルフは吹き飛ばされ、木に激突した。
他のエルフたちは仲間たちが吹き飛ばされるのを見守りながら、タガに向かって長剣を振り回した。
タガはエルフたちの攻撃を難なくかわした。エルフの一人が飛び上がり、タガの頭を力強く切りつけた。
タガは見上げ、長剣を無造作に振り下ろし、それを二つに折った。エルフは驚いて彼を見つめたが、タガは容赦なくエルフを蹴り飛ばした。
タガの目には、これらのエルフたちはあまりにも弱く、自分の力で倒す必要さえなかった。
先頭のエルフの隊長は眉をひそめ、自ら行動を起こす決意をしたように前に出た。
タガは、どんな攻撃にも立ち向かう構えで、前進してくるエルフの隊長を見つめていた。
エルフの隊長は突進し、長剣を振りかざしてタガに斬りかかったが、タガはあらゆる攻撃をかわした。
数度の攻撃をかわした後、タガはエルフの隊長にパンチを放ったが、隊長は素早く反応し、剣で身を防いだ。
タガの一撃は長剣に重く叩きつけられ、エルフの隊長は震える手でよろめきながら後ずさりした。
エルフの隊長はタガを見つめ、なぜタガの力はこれほど強大なのかと訝しんだ。まるで骸骨に襲われただけでなく、山が迫り来るかのようだった。
タガは時間を無駄にせず、エルフの隊長への攻撃を続けた。一撃一撃に激しさが込められていた。
エルフの隊長はすぐに緊張を感じた。こんな相手との遭遇は初めてだったのだ。
この時、茂みに隠れていたシルは、静かにその様子を見守っていた…
「タガなら対処できるだろうか…」 シルは茂みに隠れ、タガとエルフの隊長の戦いを見守っていた。
この時、背後にエルフが忍び寄っていた。エルフは速度を落とし、シルはその存在に全く気づかなかった。
エルフは突進し、シルに真っ向から襲いかかった。シルは反応する間もなく地面に押さえつけられた。エルフはポケットからロープを取り出し、シルの手と口を縛った。
そしてタガの側では…
タガはまだエルフの隊長と格闘していた。エルフの隊長はタガに攻撃を仕掛けようともがき、タガは落ち着いた様子で戦っていた。
突然、シルを掴んでいたエルフが叫び声を上げて茂みから現れ、シルを掴み、剣を彼女の首に押し付けた。
タガは叫び声を上げるエルフの方を振り返った。エルフがシルを掴んでいるのが見え、瞳孔が収縮した。シルを助けようと駆け寄りたかったが、エルフの剣が彼女に向けられているのが見えた。
捕らえられたシルを見送ったタガは、どうしようもなくため息をつき、巧みに両手を背中に組んだ。エルフの隊長は困惑した表情でタガの行動を見つめていた。
タガはシルを救いたくないわけではなかった。むしろ、自分の無謀な行動によってシルが傷つくことを恐れていたのだ。そんな姿は見たくない。だからこそ、降伏を選んだのだ。
エルフの隊長は手を振り、二人のエルフにタガの手を縛るよう命じた。
縄でタガの手を縛った後、二人のエルフは剣をタガの首に突きつけ、エルフの隊長に近づいた。
エルフの隊長は振り返って手を振り、他の負傷したエルフたちは縛られたタガとシルを運び去った…
反対側でも…
ディストーションはラーゾスの向かいのテーブルに座っていた。
「ああ、我が偉大なるラーゾス卿!何を見たのだ?」ディストーションはラーゾスに丁寧に言い、傍らにあったティーポットを手に取って紅茶を注いだ。
「私は何億年も生きている老いた怪物だ。敬称をつける必要はない」ラーゾスは片方の瞳孔を開き、茶をすするディストーションを見た。
「どうして? 君は数少ない、最も優秀なパートナーの一人じゃないか」ディストーションは目を細めて微笑んだ。その笑顔は明らかに偽りだったが、決して崩れることはなかった。
「運命の者が真理の核心に到達するのを見た。そして、もう一つの胴体も見た」ラーゾスはディストーションの作り笑いにどうしようもなく首を振り、それから創造神によって長らく引き裂かれてきた自身の体について語った。
「運命の者を見つけるために真理の核心へ行けるようだ。準備が必要だ…我々は宇宙を破壊する準備をしている…」ディストーションの口調は途中で暗くなった…
この宇宙は…苦しみに陥るだろう…
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