ネコを拾ったら魔族になったったオハナシ 〜ネコと一緒のスローライフ〜
とんじる
40代のスローライフ
第1話
カツ、猫を拾う
車はY県からN県に入った。冬の黒々とした海を視界の
海岸道路から峠越えの山道に入るため、信号を待っていると空に流れ星が見えた。やがて流れ星は二つに分かれて片方は海側に消えていった。珍しいものを見たが、願い事は言えず終いだったのに気がつく。小学生の頃、キャンプに行って流れ星を観た時も見とれて願い事を言えなくて友達にからかわれた。そういう所は、大人になっても変わらないらしい。
時計は18時半を過ぎたばかりだが、年末だからか他の車の姿を見なかった。(俺だけかよ。)
◇
冬の峠道は降った雪が踏み固められてテカテカとライトを反射している。右手に小さな川が峠道に沿って流れている。
道幅はたっぷりあるが、スピードは出せない。スタッドレスタイヤを
車外に出ると思ったより風が冷たく、パーカーのフードを
冷める前に飲み干して車に戻ろうとした時、川の側で、小さな何かが動いた気がした。ふと興味が
捨て猫なのか、迷子なのかは知らないが、放っておけば間違いなく明日まで持たないだろう。
今、保護することに
子猫は俺を認識すると、全身の毛を逆立てて耳を後方に倒して警戒体制に入っている。2メートルの
…覚悟を決めた。肉を切らせて骨を断つ!
静かに深呼吸をひとつして、俺はゆっくり、ゆっく〜りと子猫に左手を伸ばした。目の前まで左手が伸びてきた時、子猫は
車に戻ってドアを閉め、腹の辺りで暴れる子猫が落ちつくのを待つことにした。子猫の歯は右手にかなり深く食い込んでいる気がするし、噛みつかれた時、身体の中にバキバキと音が
どのくらい時間が経っただろう…子猫がおとなしくなった。興奮してフーフーいってた鼻息も消えた。
子猫は
スマートフォンが身体を
「あ、
「まだ、サルナシ村の辺りです。」
「あれ、もう1時間はかかるのう。事故でも
「事故ではないのですが、猫を保護しました。」
「ね、猫ぉ!
電話の奥で
「まだ、飼うと決まった訳じゃ…」
と言うと、士郎さんは、
思えば、この夜の猫との出会いが、俺の日常を変えてしまうことになった。これは、魔族になった俺が、失った
あとがき
初めて小説を書いて投稿しました。読んだ方々、感想など頂けたらうれしいです。今後ともよろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます