道具屋

東井タカヒロ

道具。

道具。それは人の生活をより良くする為に生まれた、人の為の道具。

 そんな道具を扱い、売りさばくのが、俺の仕事、道具屋だ。


「暇だぁ」

 昔ながらの道具屋を継いで早5年。

 近頃はホームセンターや、ネットの普及で、道具屋を訪ねる人も少なくなってきた。


「店長!いつものあるか?」

「へいよ、ちょっと待ちな」


 そんな店だが、案外にも常連客というのが何人もの人がいる。

 彼らは少し特殊な職業に付いているが、そのおかげで、この店が成り立っていると言ってもいいくらいだ。


「今日は何本買うんだい?」

「んじゃ……30本買おうかな」

「サービスで一本付けておくよ」

「お、ありがたいねぇ」

「合計で、30万円だね。」


 俺はせっせと、袋に詰めていく。

 これ、持って帰る最中に破けないかな?


「毎度ー」

「いやー最近はやけに仕事が多くてね、それでも昔よりかは減ったんだけどね」

「毎度御贔屓に」

「他の店じゃ売ってないしさ」


 まぁ、こんなもの他の店で売っていないだろう。

 売っていたら世も末だろう。


「上等な武器仕入れたまた言ってくれよなー」

「ういー」


 さて、新作の陳列でも始めますか。

 

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道具屋 東井タカヒロ @touitakahiro

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