第2話
「誰そこにいるのは」
「…?!」
1日前
神様、どうか願い事をかなえてください。もう帰るか、私は絵馬に願いを書いて家に帰った。
「ただいま」
「おかえり、ずいぶん遅かったわね」
「アハハハ…」
乾いた笑い声と一緒に卵を渡す。
「ありがとう、今日は親子煮にしようと思って」
「やった〜、私それ好き、神様にお供えしたから…」
「神様?…」
あ、嬉しくて声に出てた………
「あの、階段が長い神社だよ」
「あそこ、ずいぶん前から廃業?してるわよ、建て壊すお金もないからそのままらしいけど…まぁ、一様神社だったわけだし建て壊すのも怖いけどね」
え、じゃああの看板…
「ご飯作るから、手伝って」
「はい…
母さんと話していると現実に引き戻された感覚がする。
「普通におかしいよね」
たぶん、誰かのいたずらだろう。そもそも(一絵馬一お見上げ)って言うのも意味が分からない。考えれば考えるほど自分が恥ずかしくなる
「玲子、ご飯よそって」
「わかった………………………
現在
やっぱり、スマホのライトをつけ物音がした方へ向ける。底に見えたのは小学校低学年くらいの小さな男の子だった……………
「で、なんでこんなことしたの」
私はこの子と神社内にあるベンチに座った
「………ごめんなさい」
その子はずっとうつむいて謝っていた
「いつからこんなこと」
「昨日…」
昨日、じゃあ私以外には…
「別にどこにも報告しないから、もうこんなことしちゃダメだよ。それに何が入ってるのか分からないんだから食べちゃダメ」
「………」
その子は目をキラキラさせながらこちらを見ていた
「お姉ちゃんは優しいね」
「え、」
「また、来てもいい」
急な出来事に私は頭が回らなかった。
「俺、1年前くらいにここに来たんだけどね、みんな冷たくて」
「…だからこんなことしたの」
「えぇ、違うよ」
じゃあなんで…そんなにお菓子が食べたかったのかな…
「お願いしたんだよ、神様に」
「…………」
え、どうゆうこと、話が噛み合ってないような
「あのさ、あのね、明日も会えますか」
明日、しばらくは暇だけど…でもこんな夜遅くに会うわけにもいかない。
「いいけど…お昼にね」
その子は目を輝せながら抱きついてきた
「もう、帰りなさい親御さんも心配してるよ」
「うん!あ、今何時?」
「8時半…」
「ヤバイ、お母さんに怒られる」
その言葉に安心したのと同時にその子の腕を掴んで引き止めてしまった
「お姉ちゃん?」
「あぁ、夜も遅いし送ってくよ」
「本当!やった〜」
そのまま私はその子に連れられお家に向かった
「お母さんに自慢しよう」
「何を?」
「お姉ちゃんのこと、お友だちができたって」
友達、この子には私のことそう見えているんだ、
「君、そういえばお名前は?」
「隼也、源隼也」
「隼也君…今は何歳?」
「9歳」
9歳…9歳だと3年生くらいかな
「お姉ちゃんは、お名前なあに?」
「鈴木玲子」
「年齢は」
グ、痛いところを…
「20歳くらいだよ〜」
そうこう話しているうちにその子のお家に着いたみたいで足をとめました。お家は大きな一軒家で立派なお家でした。
「怒られるかな…」
「たぶんね」
「お姉ちゃんも一緒に来て」
えぇ、家の前まで送って帰るつもりだったのに…………………………………
「お母さん、ただいま」
隼也君がドアを開けるとドタドタと階段を降りる音がした
「隼也!どこにいたの」
お母さんらしき人が隼也君を抱きしめる、その姿にとても安心した。
「心配して…この人は?」
「あ、すいません。お子さんが1人でいたので心配で」
「そうだったんですね…ご迷惑をおかけしました…」
深々と頭を下げていた、その時首すじあたりに大きなあざが見えた。そういえばこの人こんな時間なのにお化粧している?いや、隼也君が心配で落とせてなかったんだろうけど…お化粧はけっこう厚くムラがあった、失礼だとは思ったけどそのことについてはとても印象に残っていた、
「あの……」
「すいません、私はこれで…」
「お姉ちゃん、明日3時にね」
「…………」
もしかしたら家に何かあるのかと思ったけど…そういうわけではなさそうだし…明日3時か、家に1人で帰る間いろんな嫌な想像が頭の中をよぎってしまった、たぶん真衣ちゃんの影響だろうな…………………………………………
「行ってきます」
「どこ行くの?」
「コンビニ」
自転車に乗り、神社に向かう…隼也君お母さんに言ってあるかな?内緒で会うわけにもいかないし…
「隼也君、おまたせ」
「お姉ちゃん!」
隼也君が飛びついてくる。出会った頃から思っていたけど、この子はとても人懐っこいというか…危ないというか…
「隼也君、お母さんには」
「あぁ、これお母さんが」
隼也君から1枚の手紙を受け取った、そこには(隼也の方からお話は聞きました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。今回も隼也がわががま言ったようで申し訳ありません)と、書いてあり下の方には電話番号が書かれていた。
「お姉ちゃん、何して遊ぶ?」
隼也君に引っ張られ神社内に入っていく
「そうだね、何し………あの子は?」
そこには、高校生あたりの女の子?がいた、
髪はボブくらいで夏なのに長袖の制服を来て、黒マスクをしていた…
「あぁ、お兄ちゃんだよ!とっても優しいの」
「そうなんだ…」
兄弟…それよりもこの子綺麗だな黒髪がよく映えるくらいに肌は白く、スタイルも良く背が高い。
「あの」
「は、はい」
「貴方が玲子さん?」
「はい」
「俺、隼也の兄の葵結(あおい)です」
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