寂しい夜に映える空

@shiina7

第1話

「空がきれい」

実家に帰省して最初にそう思った。東京だとこんなにきれいな空は見れなかったな、東京から5時間かけ私は故郷に帰った。

「玲子〜」

リビングにいる母の声が聞こえる

「アイスあるけど」

そう言いながら母はチョコアイスとバニラアイスを持って私のいる縁側に向かってきた。私は母の手からバニラアイスを受け取り袋を開ける

「めずらしいわね、いつもはチョコの方を取るのに」

「………」

そうだったけ、実家を出てからもう3年とちょっとか

「……お母さん、私…」

「大丈夫よ」

そう言って母さんは私が泣き終わるまでそばにいてくれた……………

「もう朝よ起きなさい」

「……あと5分」

ん、まぶしい、母さんがカーテンを開けたんだ

「…まぶしい……」

「………」

目を開けると案の定母さんがいて…

「はい、もう起きます」 

ベットから起き私はリビングへと向かう。リビングにあるテレビには朝のニュースが流れていた

「今日の最高気温は38度と夏の暑さが…」

「もう夏ね、暑すぎる」

「もう夏休みだしね、」

今頃あの子達は何しているんだろう、遊んでるかな、宿題は、真衣ちゃん、大丈夫かな

「……子…」

「玲子」

「あ、何」

「どうしたのボーとして」 

聞こえてなかった…

「ごめん、で、何」

「卵切らしちゃたから買いに行ってくれる」

「え〜、わかったよ」

家からスーパーまでは自転車で30分かかる。この暑い中30分か…まぁ家に居てもすること無いし…朝ごはんに食パンに苺ジャムを塗って牛乳と一緒に食べた………………

「じゃあ行ってくる」

「いってらっしゃい」

朝食をたべたあと私はスーパーへ向かった。

暑い、てか普通に体温よりも気温が高いってどうゆう……チャリン、鈴の音?隣を見ると長い階段がそのうえには神社、お寺かな、その時は気にもとめずスーパーに向かった……………

「♫♪♪安いよ~安いよ」

えぇと卵は確か…あった、6個入りで良いよね卵のパックを手に取りカゴに入れる。

あ、このお菓子、タナゴコーナーの向いにあるお菓子コーナーが目にはいった。これ母さんが好きなやつじゃん買ってあげようかな………

「ピ、ピ」

「…お会計が425円です…」

「…はい……」

「え、れいちゃん…」

ん、知り合いかな、顔をあげるとそこには中学高校と親友だった美桜が居た

「え、美桜じゃん、何やってるの」

「パートだよ」

「そういえば結婚したんだっけ」 

「そうそう、子供も1人いるよ」

もう、子どもいるんだ…

「早いね」

「そうかな、うちらもう26だし……」

「れいちゃんは何してるの」

「……帰省中」

「そっか、確か、れいちゃん教師やってるんだよね」

「…………」

「すごいな〜、れいちゃん小さい頃から頭良くてみんなに勉強教えてたもんね」

そう話す美桜ちゃんの顔をうまく見れなかった…みんな何も知らない、知られたくない

「……れいちゃん」

「あぁ、ごめん、何」

「いや、れいちゃんは凄いなって」

「そんなことないよ」

「れいちゃ

「変わんないね、ここも、あ、あの神社って」

「え、あぁ神社…」

聞かれたくない、踏み込まれたくない

「もしかしてあの階段が長い」

「そう、途中で見て」

「懐かしい、れいちゃんと行ったよね」

懐かしい…あ、思い出した、てか何で忘れてたんだろう…

「あの…」

「あ、ごめん、他の…」

後ろを見ると、そこにはカゴを持った男性が

「ごめんね〜じゃあ」

そのまま自転車に乗った、振り向かずに……

「この神社」

懐かしいな、まだけっこうきれい…この神社は私が子供の頃からあって、その頃にはもう廃業していたような…ただ暗くて不気味だから子供たちがたまに肝試しに来たり、親が子供に「連れてくよ」と脅したり…あれ、階段を上がるとそこには絵馬があって、いや絵馬はずっと前から置かれたままだけど…それよりもその隣にある看板は………

(絵馬1回1お見上げ)

看板にはそう書かれていた、私は神社の近くにあるコンビニへと向かった。

「玲子ちゃん」

「たけおじさん」

コンビニに行く途中たけおじさんにあった。

「いや〜元気大きくなったね」

「はい」

「東京で先生やってるんだろ、凄いな」

「………」

「あ、」

たけおじさんが通りかかった1人の高校生を見て固まった

「どうしたの」

「あの子……」

「あの子がどうしたの」

「いや〜、1年前くらいに引っ越してきたんだよ」

たけおじさんは嫌そうな顔で話していた……

「たけおじさんよそ者嫌いだっけ」

「いや、そういうわけじゃないんだがな、あの子の父親がな財閥の御曹司みたいななんかで、好き勝手やってるんだよ」

「好き勝手、何をしているの」

「挨拶しても返さないし、ゴミの日じゃない日に出しに来るし、自治会には参加しないし…」

そんなことが……

「あんまり、関わらないほうが良いよ」

「……子どもは…関係ないんじゃ…」

「ん、何か言った」

あ、ヤバ、

「いえなにも…」

「あぁそう、じゃあまたね」

「はい…」

そのまま、私はコンビニへと向かった。たけおじさんこんな人だったけ、この村も別によそ者を嫌っている訳でもなにのに…それほど態度が悪かったのかな、コンビニでお団子を買って神社に向かった

「まさかね…」

お団子をお供えしてから絵馬に(生徒と仲良くなれますように)と書き、家に帰った…………

次の日

「なくなってる…」

絵馬には(ありがとう)と書かれていた。この字の感じ小学生かな、あれ、何か違和感が…まぁいいや、今日はある作戦を企てていた………

「そろそろかな…」

トントントン足音が聞こえる。やっぱり……

「誰!そこにいるのは」

「!?……」



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