優秀なカウンセラーでありながら、元カレの浩一とズルズルな関係をもつ愛理。
自問自答、チラシを取る習慣、たばこを分け合う二人、10時間の睡眠と頭痛薬……彼を求める理由を半ばでっちあげながら、愛理は社会の目から逃げるように浩一の元へゆきます。
浩一は、一見愛理ファーストで優しそうですが、愛理と交わりきれない寂しさが漂います。愛理もまた素直でなく、自分の感情を処理してしまう。そしてそれらを全て包み込む動物的本能。
割り切れない関係、整理できない気持ちを許してくれるような作品です。役割に疲れた人、評価に縛られ踏み込めない人、孤独に戦っている人へぜひ読んでいただきたいです。