年齢もズレも、そのままでいいと思わせる魔法のひととき

　魔法少女なのに34歳、婚活に励む彼女の姿は、少し滑稽で、でもどこか切なくて。
突飛なようでいて、実はとても身近な物語なのです。年齢、肩書き、周囲の視線……私たちが生きているこの現実と地続きのような、不思議な温度感を持っています。

　うまく生きられないこともあるけれど、自分を曲げずにいる勇気、そしてズレたままでも誰かと出会える希望が、くるくるとステッキに込められているようで。

　読み終えたあと、なんだか世界が少し優しく見える。そんな物語でした。