第一話 ガラスの息をしている 03
「……さっきの一体なんだったんだろ」
でもきっとあの人、
私たち
強いていうなら、選局できないラジオが周囲に何十台もある感じだと思う。別に人と繋がりたくないのに、勝手に繋がって、勝手に傷つく。そんな傍迷惑な存在――それが縺蜜だ。
だけどそれを徹底的に和らげてくれる唯一の方法がある。それが毒焔の人との契約だった。
契約すると、
でも一番オーソドックスなのは、婚姻関係になることだ。私もそんな日を夢見ることもある。だけど、私にとっては夢物語だ。だって――私は疫病神だから。
私は変わってる。私は平凡とか、没個性とか、テンプレとか、モブとか、そういった言葉には縁がなかった。残念なことに。
私は――親を四人殺した。別に刃物で傷つけたわけじゃない。でも、それでも――きっと私のせいだ。
物心ついた時に実の両親は他界してて、顔も声も、何もかも覚えてない。知っているのは、このイヤーカフ型の焔身具は私のために用意されたものらしい、ということくらい。
里親の
どんなにいい子にしてたって、気を遣っていたって、家族も、家族になれそうな人たちも、あっけなく死んじゃった。私から声をかけて努力してたら、嘘でも笑っていたら、あの人たちの人生も繋ぎ止められたのかな? 私が何も出来なかったから死んじゃったのかな? お友達になりたかった子も私に怯えてた。これを疫病神って呼ばずに、なんて言うんだろう?
だから
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