第2話 調査
俺の愛する香織が不倫してる。まさか。
でも、帰りも遅くなり、スマホも手放さなくなった。夜も拒否している。典型的な浮気のサインだった。
土日の休日出張が入った。同じ営業部の女性社員と2人で県外支社へ赴いた。家に電話すると香織はいなかった。
娘が
「ママはママ友たちと、カラオケするから。帰らないとか言ってた。私たちも今日は、友達の家に泊まるから。」
そんなことあるはずが。香織はカラオケは苦手でいつも誘いを断っていた。
胸騒ぎがした。
早朝
「頼む。2日目の出張を頼んでいいか。」
始発で、3時間かけて家に帰った。駐車場に妻の車はあった。よかった。
マンションの玄関を開けると、男物のくつがあった。心臓が高鳴る。
足音忍ばせて、寝室の前へ行く。
「いや~ん。昨日あれだけ愛し合ったでしょ~。」
「香織ちゃん、もう濡れてるじゃん。」
「やだぁ~。子どもたち帰ってきちゃうよ~。」
「よ~し。その前に濃厚なのしちゃうぞぉ」
「ああ、いい。」
香織の甘い喘ぎ声が聞こえる。
その声を聞いて、呆然として、家を出た。ドアを開けて愛する妻の姿を見る勇気がでなかった。
その足で、俺は興信所を訪ねた。提示された金額が高い。しかし、調査をしなければ違和感は解決しない。妻の写真を私、1週間の退勤後、帰宅するまでの調査を依頼した。基本調査料25万。
調査を依頼してから、もう一つの違和感に気が付いた。
娘と息子が、俺を無視しだした。
「今日部活の送り迎えしようか。」
「いい。友達と行く」
顔を見ずに、断る。
「最近、どうだ学校。」
「聞いてどうすんの?」
「え?」
1週間が経った。興信所へ赴く。
所長が写真と調査書を出して、言った。
「奥さんの不倫相手は、同じ会社の須藤という社員です。残業といった日は全て須藤とホテルに行っていました。」
ホテルに入る写真、抱き合う写真、車中でキスする写真もあった。
分かっていたが、見せられた現実に言葉がなかった。
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