錯覚
人間は
なにかが
プラスにかたよれば
幸せになる
お金が増えれば幸せ
人気があがれば幸せ
それは人にとって生きがいになる
しかし
人は
マイナスがゼロになったことにも
幸福を感じてしまう
普段、残業だらけの仕事が定時に終わっただけで喜んでしまう
普段、辛い言葉ばかり浴びせてくる人が僅かに優しくしてくれただけで嬉しく思ってしまう
錯覚である
こうして人は自由と権利への視線を失う
この錯覚は容易には解けない
そこに、錯覚を見せた者の巧みさがある
錯覚である
それは
あなたが奪われていたものを
取り返したに過ぎず
何も得てはいないのだ
あなたは
憤慨するだろう
私はきちんと「見えている」と
そうだろう
それこそ
錯覚の
織り成す幻影である
幻影に惑ったものは
もはや
救えないのか
救えないのか
救いたい
救いたいが
あなたも
わたしも
幻の前で
もはや疲弊してしまった
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