【手紙・詩】悲劇が嫌いな私が、あなたを好きになった理由
kesuka_Yumeno
拝啓 悲劇作家の先生へ お慕いしています
――これは、幸せになるための話。
拝啓 先生へ
飽きました。
泣くのも、怒るのも。
毎回、毎回、飽きもせず、悲劇ばっかり。
毎日、毎日、嘘みたいなことばかり。
なんだっていうんですか?
こんなの、好きな人、いるんですか?
……そうですよ、お話なら、大好物です。
実際だったら?
ああ、考えたこと、なかったです。
考えたくなかったです。
考えなくたってわかるでしょ?
え?わからないもの、なんですか??
へぇ。
肉を、もがれることが?
体重、2桁単位で落ちる苦しさが?
吐きたいのに、吐くものがなくなった苦さが?
尊厳を傷つけられた、大切なあの子とかわれないことが?
私なら、何されたって平気なのに。
もとから、感情を持ち合わせていないんだから、あれに関しては。
本当かよ。
叫びたいのに、嗚咽しか漏れない馬鹿馬鹿しさが?
わからない?
本当、本当に誰も、知らないって?
嘘。
嘘、嘘、嘘!!
なら、それなら、想像してよ知らないって、どういうことか。
知っていたら、何ができるか。
本当になった時、どう出れるかを。
飽きたよ。笑える。
笑って、笑って
そういうこと、でしょ?先生。
あなたも、笑って?
これは、幸せに、なるための話。
かしこ
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