好感度999まであと少し──俺だけ“関係スキルツリー”と“巻き戻し権”持ってる世界で、最強ヒロインたちを攻略中

プロローグ：何も変わらないはずだった日常が、“スキル”ひとつで激変した。

　勉強も、運動も中の中。

　唯一の特技はゲームが上手いこと。

　何をやっても成功は決してしない。

　努力しても、空回りで無意味。

　青春とは対極の位置にいた俺。

　──そんな俺の人生に、バグが起きた。

　高校2年の夏。

　何の前触れもなく、俺の目の前に“ステータス画面”が現れたんだ。

　ゲームみたいに、名前とレベル、ステータス、スキル欄、そして──

　《対象：天翔あまかけ　星花せいか好感度：80／999》

　画面の端に浮かぶ謎のメーターと、ヒロインの顔。

　……いや、待て待て。

　天翔星花って、俺の隣の席の、学年一の美少女じゃないか。

　しかも好感度低っ。

　──さらにその下に、こう記されていた。

　《関係スキルツリー：起動中》

　《巻き戻し権：1日につき1回使用可能》

　なにこれ。ゲームか？ バグか？ 妄想か？

　ああ、絶対こりゃ夢だ。

　「いってえええええ」

　机の角に脛をぶつけてみたら悶絶した。

　幸い放課後の為誰もみていなく恥ずかしい思いはせずに済んだ。

　「マジで現実かよ」

　俺は恐る恐る画面のスキルツリーを開く。

　「ははっ、マジかよ⋯⋯ 」

　俺は悟った。

　これは──

　この世界の“攻略法”だ。

　俺だって青春を謳歌したいが本音。

　だが無計画に告白しても振られて傷心するだけ。

　しかもクラスの笑われ者になって居場所がなくなる。

　でも、“巻き戻せる”なら？　”好感度”が見えるなら？

　やり直せるなら……

　ヒロインたちの“好感度999”だって、夢じゃない。

　これはゲームじゃない、現実だ。

　でも──

　俺だけが、“攻略のルール”を知っている。

　……よし、やってやろうじゃないか。

　最強の恋愛スキルツリーを、今この手で開いてやる。

あとがき

ここまで読んでくださって、ありがとうございます！

本作は、関係性を“スキルツリー”で攻略するちょっと変わったラブコメです。

青春をこじらせた男子高校生が、巻き戻し能力を使って恋と人生をチート気味に進めていきます。

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次回もお楽しみに！